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ドリトル先生の落語
第四幕その三

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「その権力に媚び諂って」
「笠に着て」
「それでね」
 まさにというのです。
「自分と違う意見、まして本気で野球のことを考えて動いている人を馬鹿にして嘲笑して貶めることは」
「他にはたかが選手とかいう言葉にも頷いて」
「巨人のオーナーのね」
「一理あるとかも言ってたね」
「新聞社という権力を持ったね」
「もう完全に権力についてたんだね」
「それでそんなことを言ったんだから」
 それでというのです。
「僕はあの人はね」
「権力に媚び諂う人で」
「そしてね」
 それでというのです。
「他の人を馬鹿にして貶めて嘲笑する人だよ」
「卑しい人だね」
「お笑いは権力とは別というか」
「その権力を風刺する様な」
「そんなものでないとね」
「駄目だね」
「その風刺もね」
 これもというのです。
「ユーモアのある」
「そんなものでないと駄目だね」
「そう、貶めるのとね」
「風刺はまた違うね」
「そうなんだ、言論の自由とイエロージャーナリズムは違うしね」
 先生はこちらのお話もしました。
「イエロージャーナリズムはやりたい放題だよ」
「何でも書く」
「そうしたね」
「悪質なものだよね」
「そうだよ、タブロイド紙なんかはね」
「やりたい放題だよね」
「まともな取材なんかしないで」
 そうしてというのです。
「権力に諂ったり自分の嫌いな相手を貶める」
「そんな記事ばかりだね」
「そんな記事で戦争になったこともあるんだ」
「ああ、アメリカで」
「アメリカとスペインの戦争も二次大戦も」
「アメリカのイエローペーパーが煽ってね」
「なってしまった一面があるからね」
 こうした事実があったというのです。
「それでだよ」
「イエロージャーナリズムは危険で」
「言論の自由とは違っていて」
 それでというのです。
「風刺もね」
「知性と品性を守ってだね」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「ウィットとユーモアのある」
「そうしたものでないと駄目だね」
「そうしたものがない人が風刺をしても」
「相手を貶めるだけだね」
「そんなものは何でもないよ」
 先生は断言しました。
「まさにイエローーペーパーとね」
「同じだね」
「そうだよ、そしてお笑いも」
 これもというのです。
「権力に諂うんじゃなくて」
「むしろ風刺する」
「そんなもので自分と意見が違う人にそんなことは絶対にしない」
「それが大事だね」
「だからあの落語家さんはね」
「お笑いに向いていないね」
「むしろお笑いをしたら駄目だよ」
 先生は言いました。
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