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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第七十話 挟撃 U
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よりよっぽど目出度い事さ」
釣られて司令部のメンバーだけでなく、旗艦艦長のガットマン中佐まで笑っていた。
「ほら」
閣下がポケットから中尉の階級章を取り出して、少尉の階級章から付け変えてくれた。
「おいおい、特別待遇じゃねえか?」
「エリカに怒られるぞ」
ダグラス中佐とバルクマン中佐が囃し立てる…そんな関係じゃありません!
「ありがとうございます。ローザス中尉、改めて任務に精励します」
「中尉という階級が貴官にとって実り多きものである事を祈ってるよ……さあ、気を取り直して行こうか」



04:25
自由惑星同盟軍、アムリッツァ駐留軍第一任務部隊、第二艦隊、旗艦パトロクロス
パエッタ

 「十二艦隊よりの増援、左翼につきます。モートン分艦隊です」
「うむ」
増援か、ありがたい…若僧の准将が全軍の指揮を執るなど有り得ん事だが、今踏ん張らねば私の将来どころか同盟が危うい…。三千隻程度で敵の側面を突く…果たして効果はあるだろうか?…逡巡している暇はない、どうせ責任はあの若僧が取るのだからどうせなら……。
「モートン分艦隊に連絡、紡錘陣形をとって敵の右側面を突け!そのまま突入せよ!」
「突入、ですか!?」
「そうだ、十二艦隊に戻さねばならんからな。そのまま敵中を突っ切って十二艦隊に合流しろと伝えろ」
「は…はっ!」


05:05
自由惑星同盟軍、アムリッツァ駐留軍第一任務部隊、
旗艦アストライオス、
ヤマト・ウィンチェスター

 パエッタめ、何て奴だ…自分の艦隊戦力じゃないからって躊躇なく突っ込ませるなんて…。だけど、奴が何を考えたか知らないが敵左翼は対応しきれていないな。だけどこれはこれで好都合だ。何々、突入したのはモートン分艦隊?モートンって、ライオネル・モートンか。奴なら信頼出来る、多少無理しても生き残るだろう…。
「第二艦隊に連絡、第二艦隊は更に前進、増援のモートン分艦隊にも突撃を続行させて、そのまま敵中央部に突入させろ」
「了解…ってそんな事したらモートン分艦隊は」
「よく考えろオットー、いくら第二艦隊が動きが遅くても、これなら分断した敵左翼の前半分を叩ける。敵の中央だって突っ込んで来るモートン分艦隊に意識が向く筈だ。その隙に第一艦隊を一旦下がらせて第十二艦隊を敵左翼集団に当たらせる…大丈夫、モートン分艦隊なら生き残るさ。さ、早く」
「了解した」
概略図を見るともう少しで敵左翼を分断出来そうだった。敵左翼はモートン分艦隊に対応出来ていない様だ、いいぞ…第二艦隊も前に出ている…よしよし…通信傍受の結果は…左翼はシュトックハウゼン艦隊か。中央はゼークト艦隊…イゼルローンは無いからな、艦隊司令官って訳か。左翼はギースラー艦隊、後方予備から攻撃に参加した艦隊はクライスト艦隊…ヴァルテンベルクの
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