第十五章
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「白いもの」
「ああ、それで羽根みたいな服を着て」
「名前は野上良太郎といったな」
「野上良太郎だと」
風間はその名を聞いて話に入って来た。
「本当にその名前だったのか?」
「ああ、そうだ」
田所が彼に答える。
「そがどうしたんだ?」
「俺の前に出たのも野上良太郎だった」
真剣な顔での言葉だった。
「何っ、そっちにも出たのか」
「髪に青いメッシュが入っていて黄色い目をしたスーツの男だった」
「白じゃないのか」
「ああ、間違いない」
それも言う。
「青だ。違うのか。しかもかなりの数の女を周りに連れて歩いていたぞ」
「馬鹿な、違うぞそんなのと」
「そうだ」
ここで神代も話に加わるのだった。
「俺が出会ったのも野上良太郎だったぞ」
「剣、御前もか」
加賀美はそれを聞いてまた驚くのだった。
「そうだ。紫のメッシュに紫の目の男だった」
「紫の」
「そしてダンスを踊っていた。軽い男だったな」
「何なんだ。そういえば」
加賀美もここで思い当たるのだった。
「俺があったあいつもまさか」
「いや、兄貴」
「そうだ、相棒」
影山と矢車もここで参戦する。
「俺達黄色い髪が入っていて目の色も黄色の奴だったぞ」
「しかも黒と黄色の着流しで派手に暴れた」
「それも野上良太郎か!?」
「違うのか」
「あんな滅茶苦茶な奴そうはいないぞ」
矢車も影山もそう思っていた。彼等の謎は深まるのだった。
「あのですね」
「あっ、はい」
一同はテーブルのところに来た若菜に顔を向ける。見れば彼女は一同を覗き込むようにして見ている。
「うちの良太郎、どうかしましたか?」
「うちのって」
「まさか」
「姉さん只今」
「あっ!」
「こいつだ!」
丁度ここで帰って来た良太郎を見て加賀美と影山が同時に声をあげた。
「御前あの時のチンピラ!」
「兄貴、あいつだ!」
「ああ」
矢車は影山の言葉に頷く。
「あの街を破壊してやがった!」
「こんなところにいたのか」
「間違いない」
「この男だ」
風間も神代も言う。
「野上良太郎」
「まさかここで出会うとは」
「しかし」
「そうだな」
田所は黒崎と大和、織田の言葉に頷いた。
「あの時とは雰囲気が全く違う。どういうことだ」
「あの、ひょっとしてそれって」
良太郎自身には彼等の言っていることがわかった。
「またモモタロス達が」
「そうよ、そうだったのよ」
ハナがその美麗な顔を顰めさせて告げた。
「あいつ等がまた無茶苦茶やってそれで」
「良太郎やっぱり全然覚えていないの?」
「電車の中で寝たことまでは覚えてるんだけれど」
コハナにも答える。
「けれどそこからは」
「またあいつ等その隙に良太郎の身体を乗っ取
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