第三十四話 夜のアリアその六
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「暮らしてみるとね」
「さらにわかったな」
「いや、ハンバーグでご飯食べるとか」
この食文化のことを話すのだった。
「これもね」
「けったいやな」
「お家の中に洋室と和室が一緒にあったりね」
「和洋折衷でな」
「そうしたこともあったり」
アレンカールはさらに話した。
「文字が幾つもあったりね」
「あれはほんま難儀したわ」
羅は苦笑いで言った。
「慣れるまでな」
「そうよね」
「漢字とな」
羅は中国人としてこの文字をまず出した。
「平仮名、片仮名があるさかいな」
「読み方も音読みと訓読みがあってね」
「しまいに訓読読みもな」
「しかも文章が独特で」
「厄介な言語や」
「日本語はね」
「そんな国でな」
羅はさらに言った。
「何もかもがな」
「けったいでね」
「長い間おらんとな」
「わからへん部分が多いのよね」
「いや、関西でもな」
施も言ってきた。
「何かとあるさかいな」
「けったいなものがね」
「長い間おらんと」
「わからへん国よ」
「そやな」
「その場所にはおってこそわかる」
「そや、見るよりもや」
施はこうも言った。
「そこにおる」
「そして肌で感じる」
「これがな」
「一番わかるわね」
「そやな」
そこにいることこそがというのだ。
「そこにおったら」
「そしておればおる程」
「わかってくるわ」
「そうなのよね」
「日本かてそうでな」
「この塔も」
「正直出来るだけ早く踏破したいが」
シェリルはこの本音を出した、実を言えば彼女だけでなく他の九人も心から思っていることである。
「それでもな」
「おるとね」
「わかってくるな」
「そこがどういった場所か」
「この塔かてな」
「そうよね」
アレンカールはシェリルのその言葉に同意した。
「次第にね」
「肌でな」
「そうなってくるわね」
「この塔はまさにどんな迷宮もある」
シェリルは強い声で言い切った。
「そして獣やモンスターもな」
「どんなのもいて」
「そのうえで神霊さん達もおられる」
「そうした場所ね」
「そや、そうした場所や」
まさにという口調で言った。
「この塔は。そして後ろに戻る場所やない」
「前に進む場所や」
芥川が言ってきた。
「もっと言えばな」
「上に上にやな」
シェリルは芥川にこう返した。
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