第九十三話 最悪の日その八
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「どう考えても」
「中学に行ってね」
「高校もね」
こちらもというのだ。
「行った方がいいわよ」
「そうよね」
「私だってね」
理虹は眉を顰めさせて言った。
「出来るなら大学までね」
「行きたいわよね」
「八条学園って商業科や工業化でも進学する人多いしね」
「八条大学にね」
「農業科でもね」
「高校卒業してすぐに就職せずに」
そうするのでなくというのだ。
「大学でね」
「さらに勉強してね」
「八条グループの企業に就職することが多いし」
「元々グループで働く人育成する為の学校だし」
「世界的にね」
だから八条グループが戦前それも明治の財閥だった頃に創設したのだ、その為保育園から大学院まで揃っているのだ。
「そうした学校だし」
「大学まで行って」
「そうして就職したいわね」
「けれどあの子はね」
「ずっとユーチューバーで食べるの?」
「無理でしょ」
それはというのだ。
「タレントさんと同じだからね、ユーチューバーって」
「浮き沈み激しいお仕事よね」
「人気商売だからね」
ユーチューバーもというのだ。
「ずっといい動画あげるにもね」
「色々知識とか必要だしね」
「経験とかね」
「こんなの私達でもわかるわよ」
それこそというのだ。
「高校生でもね」
「それ位はね」
「というかね」
かな恵もどうかという顔で言った。
「中学校って義務教育だし」
「それよ、それ」
富美子もまさにと言った、その五人の中で一番気の強そうな顔がきっとなっている。そのうえでの言葉だ。
「中学校行かないってね」
「そもそも駄目よね」
「だからそれを許す親御さんもね」
「どうかしてるわよね」
「毒親じゃないの?」
富美子は本気の顔で言った。
「それって」
「子供さんの稼ぎあてにしてるとか」
「いや、親御さんが子供さん養って育てないと」
富美子はこうも言った。
「やっぱり」
「それが親よね」
「子供さんが何かで当てても」
「ユーチューブなりタレント活動でね」
「親はね」
強い声で言い切った。
「やっぱり」
「子供さん育てて」
「養わないと」
「自分の稼ぎでね」
「子供さんの稼ぎあてにしたら」
それはというのだ。
「親失格でよ」
「何か子役の親御さんのお話でもあるみたいね」
「そうみたいね、そんなのってね」
かな恵に強い声で言った。
「駄目だから」
「失格よね」
「親御さんとしてね」
「中学校はね」
「行かせないと」
「法律で決められてるし」
「法律は守らないとね」
それはというのだ。
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