第七十六話 次の日も会ってその二十
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ですが今はそうした制約もないので結婚もできますが。
「今結婚なんて」
「しないんだね」
「想像も出来ないです」
とてもです。
「そんなことは」
「そうなんだね、まあ阿波野君もまだ高二だし」
何故かまた新一君のことを言われました。
「結婚出来ないしね」
「どうして新一君がここで出て来るんですか?」
「ちょっとね」
「ちょっとって何ですか?」
「いや、千里ちゃんならって思ってね」
私を見て笑って言われました。
「それでなんだ」
「私だからですか」
「けれど彼が高校を卒業して」
新一君のお話が続きます。
「大学に入ったらどうかな」
「大学ですか?」
「彼天大志望だからね」
「それも宗教学科なんですよね」
おみちを教わるその学科で私もいます。
「真面目に言っています」
「それなら尚いいよ、千里ちゃんもだよ」
私もというのです。
「彼に何かとお仕込みするんだよ」
「それはさせてもらいますけれど」
それでもです。
「引っ掛かりますね」
「何がかな」
「今の次郎さんの話が」
どうにもです。
「そうなってます」
「それもわかるよ」
「わかりますか」
「阿波野君をよく見てるとね」
「そうでしょうか」
「きっとね、あと彼真面目に勉強もしてるね」
「そうなんですよね」
そちらも怠っていません。
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