第三百十二話 全軍を用いての決戦その十三
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「そのどちらもとんでもない能力なので」
「あの人について語る時の美鈴ちゃんの顔凄いやろ」
「あの人福岡生まれでソフトバンクファンでしたね」
「ソフトバンク二〇一六年に地獄見せられたからな」
「大谷さんに」
「十一ゲーム差をひっくり返されたんや」
そして当時彼が所属していた日本ハムが優勝した。
「一番ピッチャーでプレイボールホームランとかな」
「ああ、その後一六一キロ投げて勝った」
「他には一安打完封とかホームラン二本打たれたりとかな」
「最後は一六五キロ投げられましたね」
この時あろソフトバンクファンはスピードガンが壊れたのかと思ったという、当時日本プロ野球の最速記録だった。
「クライマックスで」
「ストッパーで出て来たあの人にな」
「それで負けたので」
「トラウマになってるな」
「というか滅茶苦茶っすね」
セリューは真顔でこう言った。
「大谷さんは」
「バッターとピッチャー両方でな」
「どっちも桁外れっすから」
「メジャーでもあんな人おらんわ」
「本当にびっくりっすよ」
「それでその大谷さんにな」
メルヴィルは心から言った。
「是非共や」
「メッツに来て欲しいっすか」
「ヤンキースやなくてな」
メルヴィルはアンチヤンキースであることから言った。
「ほんまな」
「メッツっすね」
「そや、しかしな」
ここでメルヴィルはこうも言った。
「日本の人やからな」
「何かあるっすか?そのことで」
「昔の巨人やとな」
全人類普遍の敵にして邪悪に満ちたこのチームはというのだ、その兎は邪悪の心しかない禍々しい兎である。
「普通に狙ってたな」
「ずっとやりたい放題やってきたっすからね」
「もう金にもの言わせてな」
かつての巨人の常套手段であった。
「強奪してたな」
「そうっすね」
「大谷さんがどう考えていても」
最初からメジャー志望だった。
「大金積んで甘言を弄してな」
「あのチームの常でしたね」
フォークナーも言って来た。
「ほんまに」
「ああ、それで数年経って成績が落ちたら」
「放り捨てますね」
「あそこは生え抜き絶対でな」
特に監督はそうである、生え抜きのスター選手しか監督になれないという封建的な不文律が存在しているのだ。
「途中から来た人はものやからな」
「人やなくてですね」
「それでや」
「大谷さんもですね」
「そうしてたやろな」
「力があれば」
「しかしあの人は器がちゃう」
野球人としてのそれがだ。
「巨人なんてチンケなところにはや」
「はい、収まらないですよ」
ギンズバーグも言い切った。
「あんなとこには」
「大谷さん程の大器はな」
「ずっと球界の盟主を僭称してても」
「所詮井の中の蛙や」
これが巨
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