第百十四話 近付きたいその七
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「それが自浄能力なくです」
「なっていますか」
「そうです」
「弱いんですね」
「堀内はそもそもです」
速水はこの輩についてさらに話した。
「その暴力に至った仮定も酷いです」
「そうなんですね」
「はい、コーチであった頃にです」
「コーチとしても評判悪かったんですね」
「見せしめとして選手に雨の日に外でランニングをさせて」
「身体冷えません?」
「当然雨衣になるトレーニングウェアを着てでしょうが」
濡れて身体が冷えない様にだ、スポーツ選手が身体を冷やすとよくないことは言うまでもないことである。
「それを行わせ自分はです」
「ベンチにいたんですか」
「いえ、ベンチ裏でマスコミ関係者と食べていました」
「自分は食事ですか」
「暖かい場所で」
当然雨なぞ降らない。
「談笑していてそれに怒ったある選手がです」
「ロッカーで暴れたんですか」
「それを別の選手がです」
「整理していて」
「その選手をいきなり後ろからですから」
「余計に酷いですね」
「指導者失格です」
速水は言い切った。
「こうした人には誰もついてきません」
「私も嫌ですよ」
咲もそうした輩はと眉を顰めさせて答えた。
「そんな人は」
「残念ですが学校の先生には多いですが」
「日本ではそうですね」
「こうした人がいるからです」
それ故にというのだ。
「日本の教育は悪くなり」
「巨人もですね」
「こんな人が監督になったのですから」
「おかしいですね」
「あのチームは今もですが」
こう前置きして話した。
「生え抜きのスター選手しか監督になれないです」
「あそこはそうですね」
「他チームから来た人はです」
「監督になれないですね」
「コーチにはなれても」
それでもというのだ。
「監督にはです」
「なれないんですね」
「若し他のチームに一時トレードで出ていても」
そして巨人に戻ってもだ。
「監督にはです」
「なれないんですね」
「コーチにはなれますが」
それでもというのだ。
「絶対にです」
「監督にはなれないんですね」
「巨人だけです」
「そんなチームは」
「他のチームは他チーム出身の人でもです」
「監督になれますね」
「はい、事例は幾らでもあります」
巨人以外のチームはそうである、巨人と並んで歴史があるとされている阪神にしてもそれは同じである。
「ですが巨人だけは」
「生え抜きの、ですね」
「巨人のスター選手ででないとです」
「監督になれないんですね」
「こうしたおかしな伝統があるので」
巨人の絶対の不文律と言われている。
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