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第三十三話 初戦その十二

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「皆とね」
「ええ、そうでしたら」
 嵐が応えた。
「一緒に」
「食べさせてね」
「それでは」
「今夜はハヤシライスとサラダです」
 小鳥がメニューを言って来た。
「その二つです」
「ハヤシライスか」
 神威はその料理と聞いて意外そうな顔になった。
「カレーじゃなくてか」
「カレーばかりじゃどうかと思って」
「飽きるか」
「今回はそちらにしたの」
 神威に顔を向けて答えた。
「今回はね」
「そういうことか」
「ええ、それじゃあね」
「今からだな」
「皆で食べましょう」
「ハヤシライスもいいですよね」 
 護刃は明るい笑顔で言った。
「カレーもよくて。犬鬼も大好きなんです」
「あれっ、犬も食べていいのかな」
 昴流は護刃のその話にどうかという顔になって言った。
「ハヤシライスもスパイスが入っているし」
「犬にはよくないですね」
「塩分も濃いしね」 
 このこともあってというのだ。
「犬には」
「犬鬼は魂の存在ですから」
 だからだとだ、護刃は昴流に答えた。
「ですから人と同じものを食べても平気なんです」
「ああ、そういうことだね」
 昴流も言われて頷いた。
「普通の犬じゃないから」
「大丈夫です、それに食べなくても平気なんです」
 逆にとだ、護刃は話した。
「犬鬼は」
「魂、霊的な存在だからだね」
「そうなんですよ」
「ワン」
 ここで犬鬼は鳴いた、護刃の言葉に応える様に。昴流はその犬鬼を見てまた言った。
「わかったよ、じゃあ君も食べよう」
「ワオン」
「今回はお疲れ様でした」 
 玳透も来た、そのうえで言ってきた。
「それじゃあ今から」
「食うか、小鳥が作ってくれたものは何でも美味い」
 神威は微笑んで述べた。
「楽しみだ」
「そう言ってくれて私も嬉しいわ」
 小鳥は神威のその言葉に笑顔になって言った。
「それじゃあね」
「今から皆で食べよう」
「そうしましょう」
「僕も一度皆さんと一緒に食べたいですね」
 征一狼はこの気持ちも話した。
「家族と一緒にも食べたいですし」
「ほなです」
 空汰は彼のその言葉を聞いて笑顔で提案した。
「今度皆で集まって外でバーベキューでも」
「休日にですか」
「征一狼さんのご家族を呼んで」
「いいですね、では先生の締め切りが終わった時に」 
 征一狼は空汰の提案に笑顔で頷いて応えた。
「外で」
「そうしましょう」
「幸い僕の今の担当の先生方は皆さん締め切りを守ってくれますから」
「そうなんでっか」
「有り難いことに。編集者は不眠不休ですが」 
 そうした仕事だがというのだ。
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