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第三十三話 初戦その八

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「そうしましょう」
「僕をそうしてくれますか」
「はい、ではまた」
 こう言ってだ、星史郎は戦いを止めた。この時颯姫はまだ護刃と闘っていた。ビーストが放つ無数の機械の槍を放っている。
 護刃はその槍を跳んでかわしていた、犬鬼も一緒だ。その中で言った。
「犬鬼も気を付けてね」
「ワン」
 犬鬼も鳴いて応えた、護刃はその声を聞いてまた言った。
「うん、一緒にかわしてね」
「来るなら来るといいわ」
 颯姫はモニターから言ってきた。
「ビーストにダメージを与えたらね」
「そうしたらですか」
「私もダメージを受けるから」
 ビーストを通じてというのだ。
「そうなるから」
「だからですか」
「そうよ」
「それは」
「これは戦いだから」
 それ故にとだ、颯姫は言うのだった。
「構わないわ、私も死ぬつもりはないから」
「だからですか」
「ええ、攻撃してきてもね」
 護刃がというのだ。
「いいわ。というか貴女戦いは」
「嫌いです」
 何時になく強い顔と声で答えた。
「私は」
「やっぱりそうね」
「人を傷付けるのは。颯姫さんは違うんですか?」
「何とも思わないわ」
 これが颯姫の返事だった。
「特にね」
「思わないって」
「何も。他のことについてと同じで」 
 それでというのだ。
「特にね」
「思わないですか」
「戦いについても。ただ」
「ただ?」
「貴女に聞きたいこともあるわ」
「聞きたいことですか」
「それは」
 言おうとした、だが。
 ここで星史郎が昴流との闘いを止めたのを見てだ、彼に問うた。
「星史郎さん、闘いは」
「式神を使い切ってしまいましたので」
 だからだというのだ。
「もうこれで」
「そうなの」
「まだ力は使えますが」
 それでもというのだ。
「今はです」
「下がるのね」
「はい、そうさせて頂きます」
「わかったわ、それじゃあ」
 颯姫は護刃への攻撃を続けつつ星史郎に応えた。
「私もこれで」
「闘いを止められますか」
「ええ、援護させてもらうわ」
 星史郎の戦場離脱をというのだ。
「そうさせてもらうわ」
「すいません」
「お礼はいいわ。当然よ」
 そうすることはというのだ。
「だからね」
「そう言ってくれますか」
「ええ、それじゃあ」
「下がらせて頂きます」
「そういうことだから」
 あらためて護刃に対して言った。
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