第七章
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「なあ兄貴」
「何だ相棒」
矢車もそれに応える。
「この前あの乾巧ってのいたよな」
「あいつか」
「あいつも昔は人間じゃなかったらしいな」
「オルフェノクだったか」
「そう、それだよ」
言われてその言葉に頷く。
「何かどうもそういう奴って多いみたいだな」
「そうだな。あの田所さんもネイティブだしな」
「そうだよな。俺だけじゃなかったんだな」
彼はもう人間に戻っている。これが大きな違いだった。蘇ったことにより変わったのだ。
「オルフェノクにしろワームにしろ」
矢車は言う。
「人間が力を持って姿を変えただけだったな」
「そうだよな。結局のところは」
影山もそれを理解するようになっていた。
「あの神代にしろ心は人間だった」
「だったら人間なんだよな」
「そういうことだ。ところでだ」
「ああ」
ここで話を変える。
「最近ワームや鏡から出て来る連中は減ったな」
「そうだな。最近は」
それは肌で実感していた。
「けれど何かおかしな奴が出ているよな」
「イマジンだ」
そのイマジンが話に出て来た。
「時間を超えて戦う。それに訳のわからない雑魚も出て来る」
「最近あの連中も減ったけれどね」
「何かが減ったらまた別の何かが出て来る」
矢車は歩きながらその顔を顰めさせていた。
「その中で俺達は戦い続けるんだな」
「それがライダーなんだろうな」
そんな話をしていた。その二人のところに。良太郎が自転車でやって来ていきなり前から飛んできたチラシに顔を覆われてそれでバランスを崩してこけてしまった。
「また随分と運がないな」
「あ〜〜あ、あれは痛いぞ」
こけるついでに横にある木に当たる。実に運がない。二人は倒れているその良太郎のところにやって来て彼に声をかけた。
「おい、あんた大丈夫か?」
「は、はい」
影山に助け起こされながら応える。
「怪我はないです」
「そうか。ならいいんだがな」
「しかし。運がないな」
矢車はまたそれを言う。
「いきなりチラシが飛んで来るとはな」
「よくあることなんです」
「チラシが飛んで来るのがよくある!?」
これには影山も首を捻る。
「そんなことそうそうあるのか?」
「僕にはよくあるんです」
「そうか、あんた何かと大変なんだな」
影山は今の良太郎の言葉を聞いて心配そうに応える。矢車は良太郎の自転車を起こしながら周りを見ていた。風はなく至って穏やかだ。ただどういうわけか小さな女の子が泣いていた。
「兄貴、どうしたんだ?」
「子供が泣いている」
こう影山に応えた。
「どうしたんだ」
「泣くぅ!?」
その時だった。いきなり良太郎が変わった。
目が黄色くなりその髪の毛が急に長くなって後ろで束ねる。そのうえで髪に黄色い
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