第七百十四話 巨大な両生類その十一
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「そうする」
「そうしたお国柄ですね」
「犯罪者に厳しい国だ」
「それも極めて」
「普通の犯罪者ならいいが」
軽犯罪に対しては連合も厳しくはない、普通の刑務所で人権にも配慮した待遇で刑期を務めさせているのだ。
「しかしな」
「凶悪犯にはですね」
「この上なく過酷でな」
「人権を配慮しませんね」
「むしろ徹底的に迫害する」
凶悪犯の人権はというのだ。
「それは蹂躙と言ってもいい」
「そしてですね」
「生きものについてはな」
「その命を大事にしますね」
「そうなのだ」
「人間と生きものでしたら」
その両者を比べると、とだ。上等兵は言った。
「人間の方がです」
「大事だな」
「人権の方が」
「それが連合ではだ」
この国ではというのだ。
「人間も他の生きものも命はだ」
「同じですか」
「連合では輪廻転生の考えが強い」
「多くの宗教でありますね」
「キリスト教徒でもな」
キリスト教では本来生まれ変わる考えはないがというのだ。
「そう考えている者がいい」
「人は生まれ変わると」
「人間以外の生きものにもな」
「生まれ変わりますか」
「だから命もな」
人間以外の生きもののそれもというのだ。
「同じだとだ」
「考えていますか」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そしてだ」
「生きものの命は大事にし」
「凶悪犯はな」
その彼等はというのだ。
「容赦なくだ」
「その人権を蹂躙しますか」
「人権や命を蹂躙する者の人権は不要」
大尉は言った。
「それがだ」
「連合の考えですね」
「そういうことだ」
「だからあそこまで残虐な処刑が行われ」
しかも連合では死刑も多い、凶悪犯は即刻そうなる傾向が強いのだ。
「強制労働もですね」
「行わせている」
「そうなのですね」
「野蛮なことだが」
大尉はエウロパの者らしく連合のそのことを否定して言った。
「そうした考えということはな」
「わかっていることですね」
「そうだ」
こう言うのだった。
「いいな」
「わかりました」
上等兵も答えた。
「それでは」
「見下してもいいが」
「正しく認識することですね」
「それが大事だ、それを謝るとな」
「何にもならないですね」
「それが我々のすべきことだ」
敵国に潜入している工作員のというのだ。
「相手を正しくだ」
「評価してですね」
「正確な情報をもたらす」
「それが役目ですね」
「それが出来ないならだ」
その場合はというと。
「失格だ」
「そうなりますね」
「そうだ、だからな」
「連合のそうしたところもですね」
「正しくな」
「見ることですね」
「その考えもな」
これもというのだ。
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