第九十三話 最悪の日その六
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「私引き篭もるとかニートとかにはね」
「正直向いてないと思うわ、私」
かな恵が右の人差し指を立てて言ってきた。
「富美子ちゃんには」
「なるつもりないって言おうとしたら」
「そうだったの」
「ええ、けれど向いてないわよね」
「富美子ちゃんいつも動くタイプだから」
それでというのだ。
「それ言うと私達全員だけれどね」
「この五人全員ね」
「そうだしね」
それでというのだ。
「正直言ってね」
「引きこもりとかニートとか」
「そうなるより学校行って」
そうしてというのだ。
「アルバイトもして」
「暮らす方がいいわね」
「そうでしょ」
こう言うのだった。
「私達は」
「動いて」
「何もしないとかね」
そうした生活はというのだ。
「我慢出来ないでしょ」
「もうね」
「私留奈ちゃん達がお話した漫画知らないけれど」
それでもというのだ。
「毎日お布団の上で丸くなったままでね」
「ずっといるとか」
「絶対に無理だしね」
「というかね」
富美子はここまで聞いて言った。
「もうそれって廃人?」
「身体がどうなっていなくても」
「もう心がどうかなってるね」
そうしたというのだ。
「廃人でしょ」
「そうよね」
かな恵も否定しなかった。
「ニートっていっても色々でしょうけれど」
「そうした人はね」
「廃人って言っていいわよね」
「ゲームもしないんでしょ」
「多分ただ食べておトイレ行って」
「それだけよね」
「他のことはね」
それこそというのだ。
「何もしない」
「それじゃあね」
「廃人よね」
「ゲームもインターネットもしないって」
一華は引いて言った。
「当然テレビも観ないでしょうし」
「それで毎日ずっとってね」
「おかしくなるでしょ」
「だからね」
富美子は一華に言った。
「もうね」
「廃人ね」
「廃人になってるから」
だからだというのだ。
「そうした生活をね」
「送れるのね」
「ほら、理事長さん達が信者さんの天理教の教会の」
富美子は眉を曇らせて話した。
「あそこでお世話になっていても文句ばかり言っていたっていう」
「ああ、あの人ね」
一華も嫌そうな顔で応えた、他の三んも同じ顔になっている。
「働かないで何もしない出来ないで偉そうだったっていう」
「他の人のお家に上がり込んで大飯食べていたね」
「何の遠慮もなく」
「はっきり言ってこの人もニートだけれど」
「奥さんおられたのよね」
「いや、逃げられてるし」
その奥さんにというのだ。
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