第九十三話 最悪の日その四
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「それで付け方も勉強したのに」
「それでもなの」
「成海っちがそうだから」
あまりにも生真面目でというのだ、そうしたことに対して。
「だからね」
「それでなのね」
「私としてはね」
「アウトドアね」
「デートはそうしたいわ」
「というか夏休みこそじゃないの?」
一華はここでまた言った。
「そうしたことって」
「よく言われるわね」
富美子もそれはと応えた。
「夏の間にって」
「開放的になってね」
「言われるわね」
「そうした意味でも夏休みって有り難い?」
「けれどそれも明日で終わり」
「確かに嫌になるわね」
「どうもね」
こう言うのだった。
「時間を止めたい位に」
「それでエンドレスエイトもっていうのね」
「あと一ヶ月ね」
「一ヶ月は多過ぎるでしょ」
「大学の夏休みそれ位あるわよ」
「それでも多過ぎるでしょ」
こう富美子に言うのだった。
「あと一ヶ月は」
「じゃあ一週間?」
「それ位でしょ」
「一週間だとね」
富美子はそう言われ首を傾げさせて言った。
「もっと欲しいかしら」
「じゃあどれ位よ」
「十日かしら」
こう一華に答えた。
「それ位でね」
「いいのね」
「ええ、あと十日ね」
「そうなのね」
「まあそう言っても」
自分で考えつつ一華にこうも言った。
「その十日経って」
「また八月三十一日になったら?」
「また言うかもね」
「もう少し続いて欲しいって」
「夏休みがね」
そうかも知れないというのだ。
「そうかもね」
「まあそうかもね」
一華も富美子の言葉にさもありなんという顔になってそのうえで彼女に対して考える声で述べたのだった。
「とどのつまりずっとよ」
「お休みであって欲しいわよね」
「それで好きなことしたい」
「そう思うわよね」
「人間ってね。けれどね」
一華は考える顔のまま言った。
「ずっとお休み、毎日が日曜日とか」
「引き篭もってる?」
「何かそんな気がしたけれど」
「ああ、そうよね」
富美子も言われて頷いた。
「よくないわね」
「そうでしょ」
「ニートともいうけれど」
「それはそれでね」
「嫌よね」
「引き篭もりって精神的に辛い場合が多いみたいよ」
「ずっとお休みでも」
「色々な事情で追い詰められていて」
精神的にそうなっていてだ。
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