第九十三話 最悪の日その三
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「高校受験の時毎日講習に出てたわ」
「夏休みの間は」
「それで家にいると」
講習がない日にというのだ。
「寂しいってね」
「言ってたの」
「講習行ってたの八条予備校の難波校だったけれど」
「難波ね」
「あそこに行くのも楽しいからって」
それでというのだ。
「毎日行ってたけれど」
「それで講習がないと」
「難波に行く理由もないからって」
だからだというのだ。
「寂しいって行ってたわ」
「塾で勉強して難波で遊ぶのね」
「あそこ歩いてるだけで賑やかで楽しいから」
繁華街故にだ、尚昔は今よりゲームセンターも多くそうした場所に入って他人のプレイを観て楽しむこともよくできた。
「毎日でもね」
「行きたかったのね」
「だからね」
「塾の講習に行かないと寂しかったの」
「そう言ってたわ」
「成程ね」
「まあ実際お家にいてもね」
理虹はテーブルに肘を突き右手で頬杖を突いて言った。
「これといってすることないしね」
「それね」
富美子もまさにと応えた。
「これが案外ね」
「ゲームしてもね」
「それでお菓子食べてジュース飲んで」
「それ位だしね」
「それでも楽しいけれど」
「ずっとそればっかりっていうのもね」
これもというのだ。
「どうにもよね」
「そうそう、ちょっとね」
「飽きるからね」
「ゲームもね」
これもというのだ。
「ずっとだとね」
「流石に飽きるわね」
「少なくとも私達はね」
富美子は理虹に言った。
「そうなるわね」
「毎日朝から晩までゲームは」
その状況はというのだ。
「本当にね」
「飽きるわ」
「私達アウトドアなところあるしね」
「だから尚更よね」
「それかデートね」
かな恵は目を明るくさせて笑って言った。
「それ行きたいわね」
「それね」
まさにとだ、富美子も応えた。
「インドアだとね」
「デートもね」
「室内デート?」
「そればかりでもね、私はいいけれど」
かな恵はそれでもと言った。
「成海っちがね」
「相変わらず?」
「そうなのよね、成海っちそういうとこ真面目だから」
「それもかなりよね」
「それでどうしてもね」
「インドアデートは」
「気まずくなって」
お互いにというのだ。
「そればかりはね」
「出来ないのね」
「折角ゴムも買ったのに」
かな恵は寂しそうに言った。
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