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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第168話:錬金術への誘い
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ガキ扱いは止めてくれねえか?」
「私からしたら実際子供よ。そして、同時にとても惜しいと思う」
「アンタらに敵対してる事が?」

 やっぱりまだ勧誘を諦めていないのかと颯人は顔を逸らし頬に触れている彼女の手から逃れようとするが、拒絶されたサンジェルマンは小さく溜め息を吐き首を左右に振って否と答えた。

「違うわ。君が、魔法の方を学んでいる事が、よ」
「は?」
「こう思った事は無い? 魔法より錬金術の方が自由度が高くて羨ましいと」

 思わず颯人は言葉を詰まらせた。確かに、それは何度か思ってきた事だ。フロンティア事変以前はそんなこと考えもしなかったが、錬金術師であるキャロルと戦った事でその考えを抱く様になっていった。

 魔法は指輪さえあれば即座に行使できるが、代わりに決められたもの以外は使えない。決められたフォーマットのない錬金術は、その気になればその場で術式を組めばどんなことでも出来る。その分錬金術は使用に際して生命力等を削るリスクがあるが。

「こうして君と戦って、確信したわ。君には魔法より錬金術の方が合っている。どう? 今からでもこっちにきて、私の下で錬金術を学んでみるつもりはない?」
「奏を捨ててアンタ達に付けってか?」
「そこまで極端な事は言わないわ。君が希望するなら、彼女も我々の庇護下に置いてあげる。どうかしら?」

 サンジェルマンの条件は少し考えさせられるものだった。颯人としては、奏が危険から遠ざかってくれることは望ましい。ジェネシスに並ぶ裏社会で大きな影響力を持つパヴァリア光明結社が奏を庇護してくれるなら、彼女の安全は保障されるだろう。そこに自分が錬金術を学べば、彼女の身の回りは安泰となる。

 一瞬心が揺らぎそうになる颯人だったが、しかし彼が行きつく答えはやはり変わらなかった。

「……お断りだ」
「理由を聞いても?」
「今更か? 何度も言ってるだろ。犠牲を正当化しようとするアンタらとじゃ、そりが合わないって言ってんだよ。大体この間、アンタらのボスがこっちの施設潰した所為で何人が犠牲になったと思ってる?」

 詰まる所それだった。人々を笑顔にすることに喜びを感じる颯人にとって、犠牲を是とするサンジェルマン達のやり方は受け入れられない。それに仮に颯人がパヴァリア側に移ったとしても、奏は翼や響達を見捨てられず残るだろう。そうなれば彼女と敵対する事になってしまう。そんなのは真っ平御免だ。

 颯人の答えに、サンジェルマンは心底残念そうに目を伏せ溜め息を吐いた。だが即座に気持ちを切り替えたのか、数歩後退ると銃口を颯人に向ける。

「そう……残念だわ」
「俺を殺すか?」
「殺しはしないわ。ただ、今後私達の行動を邪魔されては困るから、暫くの間眠っていてもらうだけよ」

 サンジェルマン
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