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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第168話:錬金術への誘い
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 新型の大型アルカノイズを雑魚のアルカノイズ共々焼き尽くして始末する事に成功した颯人は、手早く仕事を終えた自分を労う様に小さく息を吐いた。

「ふぃ〜……面倒な奴だったが、流石に塵も残さず焼いちまえばどうって事無かったな」

 まさかここでも嘗てヒュドラ相手に活用した策が嵌るとは思わなかった。やはり再生持ちの敵には燃焼による継続ダメージが有効と言う事だろう。加えて今回は分身して攻撃力を単純に増やしたのも大きい。お陰で面倒な雑魚も纏めて殲滅できた。

「さて、奏の方はまだ時間掛かる感じか。それじゃあ響ちゃん達の援護にでも――」

 堅実だが熱くなりやすい翼、直情的な響、そして透と言う清涼剤にしてサポーターを事実上失ったクリス。この中でも危ないのはクリスだろう。普段透が周囲を守ってくれている為、周辺への警戒が疎かになり易い。優先して手助けすべきはクリスだろう。

 そもそもにして、改めて考えるとちと透にクリスを任せきりにし過ぎたかもしれない。今回の件に限らず、何かの拍子で透が出撃出来なくなった時の為に、クリスには透離れを促すべきだった。
 颯人はこの一件にケリが付いたら、相方をシャッフルした状態での訓練に力を入れるべきだと弦十郎あたりに進言しようと心に誓った。

 その時、突如上空から無数の銃弾が降り注いだ。

「うぉっ!?」

 降り注ぐ銃弾は地面に着弾すると着弾点を中心に黄金の結晶を出現させる。その威力にコピーで作り出した分身達はあっという間に消し飛ばされてしまった。

 一方本体の颯人はと言うと、こちらは銃弾が掠りもしない位置にばかり着弾した為銃撃は勿論生成された結晶も彼に影響を及ぼす事は無かった。直感的に回避せずその場に留まる事を選択していたのが功を奏したようだ。

 それよりも問題は、今の攻撃の意図だ。今のは明らかに本体の颯人を避けて行われた攻撃だった。つまり、この攻撃をした何者かはこの直前に颯人がコピーを作り出すところを見ている。

 その相手は直ぐに現れた。コピーの颯人が全員消え去った直後、彼の前にファウストローブを身に纏ったサンジェルマンが降り立った。

「おっとぉ? かのパヴァリア光明結社の幹部ともあろう方が、随分とフットワークの軽い事で」
「人材不足なのよ。おまけに局長は仕事を私達に任せっきりだし」
「んで? 俺に来て欲しいと?」
「そうね、それもあるわ。君が来てくれれば、色々な意味で助かるもの」

 三度目の対峙となる颯人とサンジェルマン。一度は彼女からの勧誘を蹴った颯人だが、いきなり攻撃して追い払うような真似はしない。それは相手から情報を引き出す事を目的としたものであるし、同時に自分にとって少しでも有利な状況を作り出す為の策を練る時間を作り出す為でもあった。

「その件はもう
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