第三章
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「良太郎君、お帰りなさい」
まずはナオミが笑顔で良太郎を迎える。
「元気そうね」
「ま、まあ何とか」
頭の後ろに右手をやって挨拶を返す。
「やっていけてるけれど」
「何だ何だ、良太郎」
椅子に座っていたモモタロスが良太郎に声をかける。見れば同じテーブルにウラタロス、キンタロス、リュウタロスもいる。デネブは桜井のいるテーブルに彼と向かい合って座りそこにはジークもいる。小さいハナ、即ちコハナは桜井達の後ろの席に一人で座っている。そして車掌はいつもの場所に。本当にあの面々だった。
「別れた時と同じしけた面してやがんな。どうしたんだよ」
「モモタロス、元気なんだね」
「当たり前だろ、俺が元気でなくてどうするんだ」
あの赤と青の泡の不気味なコーヒーを飲みながらまた良太郎に言う。
「それより御前に来てもらったのはな」
「うん」
「また戦って欲しいんだ」
「やっぱり」
ウラタロスにこう言われても別に驚かなかった。
「そうだと思っていたよ」
「何だ。わかってたんだ」
「そうと決まれば話は早い」
キンタロスは腕を組んだ姿勢で堂々と座っていた。
「また相手を泣かすことになるで」
「そうだね」
「それでさ、その相手だけれど」
リュウタロスはそのことについて良太郎に話しはじめる。
「カイがまた出て来たよ」
「えっ、まさか」
良太郎もこれは信じられなかった。
「カイはあの時死んだじゃない」
「それがおかしいのだ」
ジークがここで良太郎に告げる。
「おかしいって何が」
「カイだけでなく牙王もだ」
「牙王も!?」
「おう、あの化け物みてえな列車ごと蘇ってきやがったんだ」
モモタロスが良太郎に説明する。
「どうしてだかわからねえけれどな」
「牙王もだなんて」
「それだ。野上」
ここでようやくといった感じで桜井が良太郎に話してきた。
「俺がここに来たのにも理由がある」
「理由が?」
「この方です」
ここでナオミが消化したのは水色と黒の二色の派手な服の黒いショートヘアの女だった。思わせぶりだがにこにことした笑みを浮かべている。
「この方が説明してくれます」
「はじめまして、野上良太郎君」
「は、はい」
良太郎はいきなり姿を現わした彼女に対して返事を返す。
「何処かで会いましたっけ」
「見たことはあると思うわ」
「見たこと」
「スマートブレイン社の」
「あっ」
こう言われてやっと気付いた良太郎だった。
「あの会社のマスコットガールだった」
「そういうこと。もうスマートブレイン社はないけれどね」
「じゃあスマートレディさんですか」
「わかってくれたのね」
ここでもにこにことして良太郎に答える。
「お姉さん嬉しいわ。感激ものね」
「それはいいんですけ
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