第七十六話 次の日も会ってその十八
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「あの子は」
「そうじゃないとやっぱりね」
「詰所のお風呂は入られないですね」
「阿波野君はそこはわかっているからね」
だからだというのです。
「いいんだよ」
「何もしないでお風呂に入らないことはしないですね」
「そうだよ、詰所で何かあってもしてくれるし」
ひのきしんをです。
「いいんだよ、特に千里ちゃんがいたらね」
「私ですか?」
「そう、千里ちゃんがいたらね」
私を見ながら笑顔でお話されました。
「特にだよ」
「そうなんですか」
「だからいいんだよ」
「何で私がいたらなのか」
このことがです。
「わからないですが」
「そこがわかると凄いよ」
「凄いですか」
「千里ちゃんびっくりするよ」
「そうなんですね」
「そして千里ちゃんの将来が決まるかもね」
こうも言われました。
「その時は」
「そうですか」
「だからね」
それでというのです。
「阿波野君は大切にしてあげるんだよ」
「何か私にだけ馴れ馴れしくて図々しくてもですね」
「それを受け入れてあげるんだよ」
「そうしたらいいんですね」
「彼は絶対にいいようぼくになるからね」
「そうですね」
このことはわかります。
「あれでおみちに熱いですし」
「根は真面目で一途だしね」
「思いやりもありますしね」
基本的にはいい子だと思います。
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