第三百十二話 全軍を用いての決戦その八
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ルイス達と彼等の軍勢を包囲した、メルヴィルはそれを見て今も隣でウルリクルミの背にいるボームに顔を向けて言った。
「ボーム、頼めるか」
「何でしょうか」
「二万の兵を率いてや」
そうしてというのだ。
「ゲーリを攻めるんや」
「これよりですね」
「自分のウルリクルミとアルキメデスの鏡を使ってな」
「一気にですね」
「城壁を破ってな」
そうしてというのだ。
「そこからな」
「街を攻め落とすのですね」
「攻め方は自分に任せる」
ボーム自身にというのだ。
「今からすぐにや」
「攻城戦にですね」
「入ってくれ、ええな」
「わかりました」
「さて、こうしてや」
メルヴィルはボームが頷いたのを見つつ深く考える顔で述べた。
「軍を向かわせてや」
「そうしてですか」
「このことを派手にな」
今度はグリフォンに話した。
「言うんや」
「敵軍に聞こえる様に」
「本拠地に軍が向かってる、しかもな」
それだけでなくというのだ。
「星のモンもや」
「向かっていると」
「そうな、そう言えばな」
「敵軍は動揺しますね」
「包囲されていても術で戻れる」
街にというのだ。
「この世界ではな、それで街に戻って戦えるが」
「それでもですね」
「後方の物資も集まってる街を攻め落とされそうになると」
「やはり軍は動揺します」
「それは避けられん、囲まれてるうえにな」
それに加えてというのだ。
「さらにや」
「そうなるとですね」
「ほんま動揺して士気が落ちる」
「そうなって」
「戦をする気もや」
「なくなりますね」
「そうなる、そこでや」
メルヴィルはグリフォンにさらに話した。
「また手を打つか」
「そうしますか」
「言うたもんや、軍や城を攻めるよりな」
それよりもというのだ。
「敵の心理を攻める」
「それが最善ですね」
「そや」
まさにとだ、グリフォンに答えた。
「ここで二十万それもアンデットやモンスターがそれぞれ何十万ずつおる軍勢を殲滅んするよりもや」
「動揺される方がいいですか」
「二十万プラスアンデットとモンスターが何十万ずつの軍勢の殲滅なんてな」
それこそというのだ。
「こっちも使役してるモンスターは多いが」
「相手もそれなりの戦力ですね」
「その敵を殲滅するのは一苦労や」
例えこちらが圧倒的に優勢でもというのだ。
「しかも殲滅した後でや」
「死傷した人達の治療と復活も必要ですね」
「その労苦もかなりやしな」
「出来るだけですね」
「殲滅は避けたい」
どうしてもというのだ。
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