第三百十二話 全軍を用いての決戦その六
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「特に戦ではな」
「そうなりますか」
「必死で命も国益も賭けたもんやからな」
それ故にというのだ。
「ほんまや」
「苦境で好機を見れば」
「それに向かう、それでや」
「敢えて隙を作ることもですね」
「策の一つや、やるで」
こう言ってだった。
メルヴィルは全軍に交代で食事を摂らせかつ整備と補給も行わせた。そして攻撃をわざとこれまでより乱させた。
するとだ、ルイスはその状況を見て言った。
「敵が食事を摂りです」
「はい、整備と補給に入りました」
ルイーザも見て言った。
「そうなりました」
「攻撃も乱れてきました」
ギンズバーグは上空からのそれを見て言った。
「そうなってきました」
「これはです」
ルイスは二人に話した。
「隙と見てええですね」
「はい、ですが」
ギンズバーグは冷静に述べた。
「罠かも知れません」
「ですが罠でもです」
それでもとだ、ルイスはギンズバーグに答えた。
「今はです」
「攻めますか」
「そうしないとです」
「勝機を逃して」
「このまま攻められて敗れます」
そうなるというのだ。
「むしろ罠でも食い破る様な」
「その気構えやないとですね」
「勝てないのでは」
「そうですね」
ルイーザはルイスの話に頷いて言った。
「今の状況では」
「そうですね」
「はい、全力を以て攻めて」
そうしてというのだ。
「敵を破りましょう」
「それでは」
「そうですね、罠でもです」
ギンズバーグも懸念しつつも頷いた、そのうえでルイスに話した。
「ここはです」
「攻めないと敗れますね」
「僕達には後はなく」
「しかもですね」
「はい、今の戦局もかなり劣勢です」
「ですから」
そうした状況だからだというのだ。
「攻めましょう」
「わかりました」
「ルイーザさんはアンデットをお願いします」
ネクロマンサーの彼女に出す様に言った。
「そしてギンズバーグ君もです」
「獣やモンスターをですね」
「使役出来るだけお願いします」
「わかりました」
「そうします」
二人は即座に頷いた、そうしてだった。
それぞれアンデットやモンスターを出してそのうえで前に出た、ルイスは全体の指揮を執りつつ回復役に回り。
二十万の軍が一斉に動いた、そのうえでメルヴィル達の本陣の方に総攻撃にかかった。
それを見てだ、メルヴィルは言った。
「よし、動いたな」
「こちらの罠だと見破っているふしもありそうですね」
グリフォンもその敵軍の動きを見て言った。
「どうも」
「そやな、しかしな」
「罠と見抜いてもですね」
「ほんま窮地はな」
「それでも乗りますね」
「罠にかかる場合は二つある」
そのグリフォンの背中から話した。
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