第一章
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仮面ライダー電王 約束の場所
野上良太郎は。イマジン、そしてカイとの戦いが終わっても相変わらず不運なままだった。
「うわああああぁぁ〜〜〜〜〜っ」
今日もミルクディッパーの前で派手にこけそこでたまたま通り掛った通り掛かりの人に背中を踏まれる。ついでに上から何故か鉢植えが落ちて頭を直撃する。本当に相変わらずだった。
「運はそうそうよくはならないんだ」
そのことを噛み締めながら店の扉を開ける。するとカウンターには姉の愛理がエプロンを着てコーヒーを入れており尾崎と三浦もその前の席に座っていた。
「おやおや良太郎君これはまた」
「何時になく凄い有様だねえ」
「はい・・・・・・」
二人に対して力なく挨拶する。力なくしかできなかった。
「何かいきなりこけちゃって」
「自転車は?」
「お店の横に置いてます」
「そっちは大丈夫なのかい?」
「何とか」
二人に対して答える。
「それは不幸中の幸いだね」
「しかし。良太郎君の運のなさは全然なおらないねえ」
「はあ・・・・・・」
「それはそうと良ちゃん」
愛理が弟である彼に声をかけた。心配する顔で。
「何、姉さん」
「鉢植えが頭に」
「あっ」
言われてそれに気付いた。見れば頭にそのまま鉢植えがある。土まで被っている。
「何でこんなのが頭に当たったままに?」
「ううん、これはまた大変なことになってるね」
「よくそれで頭怪我しなかったね」
「それは何とか」
愛想笑いになっていた。
「無事でしたけれど」
「しかし最近悪霊にも取り憑かれていなかったし」
「だからあれは素顔なんだって」
三浦に尾崎が言う。
「良太郎君のね」
「あんなに素顔が変わるものなのかな」
尾崎にこう言われても三浦は納得しない顔だった。そもそも尾崎の言葉に納得するような彼ではない。
「変わるっていうか素顔はそんなものなんだよ、三浦君」
「だから違うんだって尾崎君」
「はい、お昼よ」
何はともあれ鉢植えを床において頭や服の土を払った良太郎に愛理が料理を出してきた。
「昆布のグラタンよ」
「昆布のグラタンって」
「凄く身体にいいのよ」
笑顔で弟にこう告げる。
「さあ、だから」
「うん、それじゃあ」
その本当に昆布だけが入っているのかどうかわからないグラタンを受け取ってカウンターの席に座る。今も店の中は奇麗な星達で飾られている。良太郎がテーブルに座るとそこで日本手拭いで泥棒そのもののほっかむりをした怪しい緑色の男が店の中に飛び込んで来た。
「おお野上、ここにいたか」
「デネブ、久し振りだね」
「会いたかったぞおお」
いきなり良太郎に抱き付いて再会を喜ぶ。見れば桜井侑人のイマジンであるデネブだった。
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