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ドリトル先生の落語
第三幕その一

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                第三幕  寄席を聞いて
 先生は大学のキャンバス内にあるホールの一つで行われた八条大学落語研究会の寄席を聞きました。最初から最後まで聞いてです。
 先生はお家に帰ってから皆にミルクティーを飲みつつ言いました。
「よかったね」
「面白かったね」
「かなりね」
「笑えたね」
「どの人もお話が上手で」
「言葉遊びも利いていてね」
「うん、大学生の人達は」
 まさにというのでした。
「まだ若いから」
「ああ、落語にしても経験がね」
「まだ足りなくて」
「色々未熟な部分があるね」
「どうしても」
「そのことを考慮しても」
 それでもというのです。
「凄くね」
「面白かったね」
「どの人もね」
「落語にひたむきで真面目で」
「そんな風で」
「よかったよ」
 ミルクティーを飲みつつ笑顔で言いました。
「本当にね」
「そうだよね」
「観に行ってよかったよ」
「笑えて楽しめて」
「満足出来たわ」
「江戸時代からね」
 先生は笑顔のまま言いました。
「ああしただよ」
「お笑いをやってるんだね」
「日本では」
「それで今もだね」
「やっているんだね」
「そうだよ、話し方の中にね」
 先生はこうも言いました。
「間があるね」
「あっ、そうだね」
「どの人もお話で間取ってるね」
「それでお話してるね」
「その間の取り方にね」
「皆気を使ってるね」
「落語はそれが大事だって言われてるんだ」
 間の取り方がというのだ。
「そのことも勉強していて」
「いい寄席だったね」
「皆笑わせようと思って」
「真剣にしていて」
「そうした風で」
「うん、まず大事なのはね」
 そのことはといいますと。
「笑わせる」
「そう思うことだね」
「お客さん達を」
「まずはね」
「そうすることが大事だよね」
「何といっても」
「そこからはじまって」
 そしてというのです。
「ネタも話し方も間の取り方もね」
「勉強する」
「それで日本語のこともだね」
「そうしていってるから」
「今日の寄席はよかったのね」
「そうだよ、テレビのお笑いよりもね」
 それよりもというのです。
「ずっとよかったね」
「それ言えるね」
「バラエティ番組よりもずっと楽しめたわ」
「それで笑えたよ」
「本当にね」
「もうテレビはあのままだと」
 微妙なお顔になって言う先生でした。
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