第二部 1978年
迫る危機
危険の予兆 その6
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「日本国内でライセンス生産はしていないのか」
「富嶽重工で行っているが……
どうしてそんな事をいまさら聞くのだ」
彩峰はコーラの入ったグラスを片手に、真剣な表情になる。
マサキは、一頻りタバコを吸った後、彩峰の方を振り向く。
「実は昨日アイリスディーナと話しているときに跳躍ユニットの話になった」
そういうと弾んだ声で話し始めた。
「跳躍ユニットは操作性が悪く、ユニット自体の可動域が非常に狭い。
操作を誤ると、よく転ぶという話を聞いてな……」
「……だから背面の推進装置を作りたいというわけか」
「戦術機は宇宙服の有人操縦ユニットの発展形だろう。
月面や火星での作戦に向けて、改良は必要になってくる」
マサキはほくそ笑み、いかに次の作戦で背面バーニアが必要か、興奮した口調で話すのだ。
「……そこでだ。宇宙空間での姿勢制御は背面スラスターでなければ、十分にできない。
俺のゼオライマーの背面バーニアの技術と、有人操縦ユニットのノウハウを合わせれば……」
呆れた表情を見せる彩峰。
マサキのぞっこんぶりに戸惑っているのだ。
「あくまで民生用部品として、ルーマニアに輸出する。
ルーマニアは東側だが、米国の最恵国待遇の対象国だ。
世銀にも入っているし、合弁会社を作れば、ココム規制に引っかからない。
上手くいけば、ルーマニア経由で日本企業が金稼ぎを出来るようになる……」
それに、自分の製作した作品がアイリスディーナの手助けになるのなら、望外の喜びだと思った。
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