第二部 1978年
迫る危機
危険の予兆 その6
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
分を死に追いやったソ連への復讐を……
道具のように扱い、簡単に暗殺した連中への復讐を果たすまでは……
そう思うと、自動操縦を担当する美久に呼びかけた
「美久、聞いているか……
ぼさっとしてないで、姿勢制御のブースターを作動させろ」
「背中のブースターに異常が……」
同時に、マサキは必死の思いで操作盤に手を伸ばす。
「肝心な時に役に立たないとは、ガラクタだな」
操縦席にあるコントロールパネルに手動操作で座標を打ち込んでいく。
北緯53度38分、東経09度60分……
機体は即座に、ハンブルク空港に転移した。
ハンブルクは、ちょうど日の出前だった
空港の上空1500メートルに転移すると、航空管制に従って駐機場に着陸させる。
すると、5分もしないうちに化学消防車と救急車がサイレンを鳴らしながら近寄ってきた。
どうやら彩峰の指示で、ゼオライマーの機体が損傷した可能性を考えて用意したものだった。
幸いなことに早朝だったので、ゼオライマーを隠す時間も十分だ。
マサキはそう考えながら、救急車のストレッチャーに乗せられると、救急車で医務室に運ばれていった。
今回の宇宙への出撃は、スペースシャトルによる短期フライトより短かった。
なので、空港にいる医師が健康状態を簡単に評価し、その後、診療所で診察、検査が行われた。
さらに3日後、より詳しい検査を大学病院で行い、異常がなければ通常の活動に戻れるという話であった。
昨日からほとんど寝ていないマサキは、診察の合間に転寝をするほどであった。
普段心配するそぶりすら見せない彩峰から、奇異に思えるほどに心配された。
マサキは遅めの昼食を取りながら、思い悩んでいた。
今回の宇宙空間での活動から、マサキは以前にもましてグレートゼオライマーを進めるしかない。
そのような結論に至った。
メイオウ攻撃は無敵なのは、間違いない。
だが、威力があまりにも強すぎるのだ。
牽制用のミサイルやレーザー、ビームの剣などは必要であろう。
そうすると、自分一人で何かするには対応しきれない……
篁あたりを引き込むか。
一緒の席でコーラを飲んでいる彩峰に聞いてみることにした。
「なあ彩峰。篁とミラ・ブリッジスに関してだが……」
「どうした」
ここはあえてグレートゼオライマーの件ではなく、戦術機の話をしてごまかすことにした。
「俺の計画している戦術機のロケットブースター改造計画に関して奴らの手を借りたいと思ってな」
「跳躍ユニットは米国のプラッツ・アンド・ウィットニー、英国のロールス・ロイス。
あとは自社で戦術機を作っているゼネラルダイノミクスの航空機エンジン開発部門ぐらいか」
(プラッツ・アンド・ウィットニーは、現実世界のプラット・アンド・ホイットニー社
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ