第二部 1978年
迫る危機
危険の予兆 その6
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だ。
「彩峰、衛星放送用の人工衛星の座標を教えてくれ。今からそこにワープする」
「じゃあ、今から人工衛星シンコム3号の場所を言う……」
そういって、詳細な位置を伝えてきた。
マサキは、コックピットに乗り込むと、ゼオライマーを転移する準備に取り掛かる。
彩峰の話を基に、高度3万5786キロメートルの円軌道上を飛んでいる人工衛星の位置情報を入力した。
ゼオライマーは、基地から飛び上がった後、即座に対地同期軌道上にワープする。
管制塔からゼオライマーの発進を見守っていた彩峰は、ゼオライマーの姿が消えるまで敬礼していた。
他の管制官やスタッフたちもそれに続いた。
マサキは、ワープした瞬間、どこにいるか、判らないような感覚に襲われた。
太陽光の反射で白く輝くゼオライマーの機体とは別に、周囲は漆黒の闇夜。
まるで、虚空に放り出されたようだ。
そんな感覚に陥っていた。
マサキは、宇宙服のぶ厚い手袋の上から操作盤に触れながら、美久に隕石の位置を尋ねた。
「この方角で間違いないのだな」
「計算が正しければ、この位置で隕石は来るはずです」
「120パーセントの威力でメイオウ攻撃を実施する」
この方角ならば、メイオウ攻撃の最大出力で、大丈夫なはずだ。
そう考えると操作盤を連打して、攻撃準備に取り掛かった。
メイオウ攻撃は、異次元から取り出したエネルギーを無尽蔵に放出し、あらゆる標的を破壊する。
それも原子レベルまで分解し、消滅させて。
大陸一つ消滅させる威力を誇る攻撃で、おそらく直径数キロの隕石は消し飛ぶ……
メイオウ攻撃を放った瞬間、衝撃波がゼオライマーに降りかかった。
大気のある地球上と違い、宇宙空間には遮るものが何もなかった。
その威力がそのまま、機体に直撃する。
無論マサキもそのことを想定して、バリアを張っていたし、即座にワープする準備もしていた。
だが思ったよりも、その衝撃はすさまじく、しかもワープの準備をするより早かった。
正面からの衝撃で座席にたたきつけられたマサキは、そのまま気を失ってしまうほどであった。
バリア体で周囲を保護したゼオライマーの機体は、そのままボールのように弾き飛ばされ、地球の方に向かった。
マサキが気が付いたときには、既に大気圏に突入している最中。
ぼんやりと落ちていく様をながめながら、
「奈落の底に落ちていくのか……」
奈落とは、地獄の事である。
このBETAのいる世界……地獄かもしれない。
今まで自分がして来た事を思えば、それは当然のことではないか。
だが自分は、一度ならず二度復活したのだ。
折角生き返ったこの機会に、己の長年の野望を叶えずしてどうするのだ。
死にたくない……
このまま、一度目の人生で自
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