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星河の覇皇
第八十四部第五章 宣言に向けてその九

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「言うまでもない」
「選挙に負けて」
「議席を失ってですね」
「野党になる」
「そうなってしまいますね」
「そうだ、それが民主政治だ」
 李は冷めた、これ以上はないまでにそうである目で話した。
「失政で大きく変わる、スキャンダルでもな」
「シビアなものですね」
「まことに政治は現実のものであり」
「現実の中でも特に厳しい」
「そうした世界ですね」
「だからだ」 
 それ故にというのだ。
「我々にしてもな」
「失敗は許されませんね」
「そうした意味でもよい政策を出さねばならず」
「失敗は許されない」
「それが政治の世界ですね」
「そうだ、力は常に変わりだ」
 それ故にというのだ。
「与党も野党も変わる、しかし今はな」
「流れはこちらにありますね」
「我々に」
「集権派にはない」
「そうですね」
「ならこの流れのまま進めていく」
 宣言をまとめそして発表するというのだ。
「そうする、そしてな」
「中央政府に対していき」
「我が国の国益を手に入れる」
「そうして集権派も負かす」
「そうしていきますね」
「そうする、必ずな」
 まさにというのだ。
「内政は今のところは順調に進んでいる、ならだ」
「後は外交ですね」
「この件でどうするか、ですね」
「それが大事ですね」
「ここで結果を出してだ」
 そうしてだというのだ。
「大きな得点を手に入れるとな」
「それならですね」
「我々は与党であり続けますね」
「それが出来ますね」
「政権を担いたいならな」
 若しそう願うならというのだ。
「政策で結果を出すことだ」
「左様ですね」
「ではこの宣言をまとめ発表し」
「中央政府への攻勢を強め」
「そのうえで」
「集権派にも対する、だがこれも民主政治の常でだ」
 李は今度は達観した顔になった、そのうえで閣僚達に対してその達観した顔でこうも言ったのだった。
「諸君等もわかっているだろう、永遠に与党でいることはない」
「やがてはですね」
「我々も野党になりますね」
「これまで何度も野党になっていますが」
「またですね」
「その何度も野党になったことは今世紀だけでもあったしだ」
 選挙に負けた結果であることは言うまでもない。
「連合が出来て、分権派と集権派の二大政党になってからな」
「千年の間政権交代が無数に起こりました」
「この中国だけでも」
「左様でした」
「他国もそれは同じでした」
「永遠で与党にいられるなぞ有り得ないことです」
「それもまた民主政治です」
「そうだ、どうしてもだ」
 民主政治においてはというのだ。
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