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神々の塔
第三十三話 アウトローの者達その六

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「また機会があればお会いしましょう」
「ああ、ほなな」
「あっしはこれで」
 最後にこう言ってだった。
 オーガの格闘家は傍にいた仲間達に担がれてその場を後にした、その彼を見届けてからそのうえでだった。
 芥川は綾乃に顔を戻しあらためて言った。
「この通りな」
「隠れて攻めるには最適やね」
「こうした場所はな」
「そやから尚更やね」
「迷宮にするにはな」
 畳と襖、障子の場所はというのだ。
「ええんや」
「そういうことやね」
「迷宮といっても色々や」
「オーソドックスなダンジョンもあれば」
「洞窟も空間もあってな」
「街もあって」
「こうした家の中もな」
 今自分達がいる様なというのだ。
「充分な」
「迷宮になるんやね」
「そやからな」
「油断せずにやね」
「進んでいこうな」
「そういうことやね」
「畳かてな」
 芥川は今度はだった。
 目の前の畳を見てだ、そこに石を投げた。すると。
 落とし穴が出て来た、その穴を見て言うのだった。
「この通りな」
「罠を隠せるし」
「それはそれでや」
「危ない場所やね」
「そや」
 まさにというのだ。
「畳もな」
「そう思うと危ないね」
「ああ、充分にな」
「機をつけて」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「先に進まんとな」
「あかんね」
「ああ、畳は好きやが」
 芥川個人の嗜好ではだ。
「そやけどな」
「罠を隠しやすい」
「そうしたもんやからな」
 だからだというのだ。
「迷宮に使われてるとな」
「用心せんとあかんね」
「そや」 
 まさにというのだ。
「忍者屋敷と同じや」
「ここは忍者屋敷の造りやないけど」
「それでもや」
「畳も罠を隠しやすい」
「そや、床よりもな」
 さらにというのだ。
「隠しやすいんや」
「上に乗せて隠すことが出来るさかい」
「そういうことや、中々な」
「日本のお家もやね」
「迷路になってな」 
 そうしてというのだ。
「厄介や」
「それでこの塔にもあるんやね」
「階としてな、神霊さん達もわかってるわ」 
 芥川は笑ってこうも言った。
「それで階にも入れてる」
「そういうことやね」
「おもろいと言ったらおもろい、しかしな」
 それでもとだ、芥川は言ってだった。
 今度は天井の方に球を放った、そこに彼は罠を解除する術を込めていたがその球を受けてであった。
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