第三十三話 アウトローの者達その五
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「言われてみたら」
「ほんま迷惑な人等やけどな」
「おらんならおらんでやばい人等やね」
「そやな、ほなな」
「そうしたことも頭に入れて」
「政もやってこうな」
「そうしよな、僕等は独裁は考えてへん」
芥川は強い声で言った。
「そやからな」
「それでやね」
「清濁どっちもある」
「そうした世の中ってことで」
「政もやって」
「世の中よおしていかんとな」
「そういうことやな」
こうした話をしてだった。
一行は先に進んでいった、そしてだった。
宿場町の階を出ると次はだった。
建物の中だった、日本の畳や襖、障子のそれの中に入って綾乃は言った。
「これはこれで」
「迷宮やな」
「そやね」
「同じ様な部屋が続いてな」
「それが襖や障子で仕切られてて」
「何処におるかわかりにくい」
「そやからね」
綾乃は芥川に応えて話した。
「こうした場所も」
「立派な迷路や」
「そやね」
「そやからな」
だからだとだ、芥川はさらに話した。
「この階もな」
「厄介やね」
「そやからな」
「用心して進まんとね」
「特にや」
芥川は目の前の襖を見た、そして。
手にしている三光手裏剣をそちらに投げてだ、手裏剣が襖を突き抜けてその向こうから呻き声と倒れる音を聞いて言った。
「敵が隠れてな」
「奇襲するにはやね」
「もってこいや」
「そうした場所やね」
「そうした意味でもな」
襖を開けた、そこでオーガの日本の服を着た格闘家が倒れているのを見て言った。
「危険な場所や」
「お見事です」
オーガの格闘家が言ってきた。
「巧妙に隠れたつもりでしたが」
「気配は感じてたで」
芥川は格闘家に微笑んで話した。
「生憎やがな」
「そうでしたか」
「並のモンやとわからんかったが」
それでもというのだ。
「僕等やとな」
「おわかりになられますか」
「ああ、襖を開いたらやな」
「仕掛けるつもりでした」
攻撃をというのだ。
「そうでしたが」
「それは出来んかったな」
「はい、我が主神を落胆させてしまいました」
「自分の主の神霊さんは誰や」
「平手造酒様です」
この者だというのだ。
「そうですが」
「ああ、あの方か」
「はい、また修行して」
「より強くなってやな」
「あの方の為に働きます」
「そうしたらええ、しかし今はな」
「これで退散します」
金を差し出して言った。
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