第九十二話 酷い親戚がいないことその十四
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「遂にね」
「というかその人生って何?」
一華もあきれ果てた顔と声で言った。
「何でもないじゃない」
「生きてきた意味がないわね」
「只の無駄飯食い?」
「そうね、食べものも資源で人は生きているとそれだけで資源使うし」
「お水とか電気とかね」
「もうそういうのを消費するだけの」
まさにそれだけのというのだ。
「無駄飯食いよね」
「そうよね」
「生きて来てね」
「まさに害ね」
「親戚の人にもそう言われたそうよ」
身近な人にというのだ。
「だって生きてきてまともに働いたことなくて」
「ただふんぞり返って不平不満ばかり言って」
「誰かの為に何かすることもなかったのよ」
「まさに無駄飯食いね」
「それで人のお家に上がり込んで大飯食べるから」
この行為のことも言うのだった。
「お腹一杯ね」
「人のお家でっていうのが余計に酷いわね」
「そんな人はね」
「無駄飯食いね」
「本当に生きて来て」
そうしてきてというのだ。
「害にしかなってこなかった」
「そんな人よね」
「それで今も生きてるけれど」
「今度は生活保護で税金使ってるから」
「よくないわね」
「生活保護ってちゃんと困ってる人に行き渡って欲しいわ」
「こんな人じゃなくてね」
「ええ、何かその人みたいになったら」
どうかとだ、一華は眉をこれ以上はないまでに顰めさせて言った。
「人間終わりだから」
「ならないでね」
「幸せなんて絶対に訪れないしね」
プラスなものが心にも技能にも身の回りにも一切ない、それで幸せになれるかどうか一華もわかっていた。
「ならないわ」
「幸せになるには努力してある程度でもね」
「何か持つ様にしないとね」
「財産なり人間性なりね」
「ふんぞり返ってるだけじゃ駄目ね」
「というかこの人は何もないのに」
それでもというのだ。
「長男さんだからとかいう理由でね」
「それで甘やかされてきたから」
「そうなったのよ」
「毒親さんのせいで」
「お母さんもお父さんも怒る時は怒ってたでしょ」
一華が悪いことをすればというのだ。
「そんなべたべたもしなかったわね」
「ええ、そうだったわ」
一華もその通りだと答えた。
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