第三章
[8]前話
「神道の巫女さん達が日本の古来の音楽に乗ってです」
「舞を舞うんですね」
「そうです、素晴らしいですね」
「ええ、全く以て」
ニシダは心から思い答えた。
「この世のものとはです」
「思えないですね」
「そこまでです」
まさにという口調での言葉だった。
「思いました」
「私もです、ですがこれがです」
「今のですね」
「日本の神道です」
「そうですか、古代よりのものと」
「現代のものがです」
「木と宇宙がですね」
「共にあります」
その両方がというのだ。
「そうなのです」
「そうですか、ではこのまま最後まで」
「ご覧になられますね」
「そうさせてもらいます」
こう言ってだった。
ニシダはサンチェスそして他のツアー参加者達と共に巫女達の舞を見ていった、日本の古い音楽に乗って宇宙空間を背景に動いている彼女達はというと。
この世のものとは思えないまでに美しく幻想的であった、それでだ。
観終わった誰もが恍惚となった、それで。
ニシダはサンチェスにだ、感激の極みにある顔で話した。
「またです」
「ご覧になられたいですね」
「はい」
こう言うのだった。
「是非」
「ではまた」
「このツアーに参加していいでしょうか」
「勿論です」
サンチェスは案内役として笑顔で答えた。
「また参加されて下さい」
「それでは。宗教が違い」
ニシダは自分の信仰から話した。
「国家も文明も違いますが」
「それでもですね」
「奇麗なもの、素晴らしいものはです」
「感じられますね」
「これまでもそうでしたが」
「この神社での舞はですね」
「これまでにない」
そう言っていいまでのというのだ。
「素晴らしいです」
「そうしたものでしたね」
「そうでした。日本の神々と古来よりの文化と」
それにというのだ。
「今の宇宙がです」
「見事に一つになっていますね」
「そうしたものでした、またお金を貯めて」
「そうしてですね」
「このツアーに参加して」
そして日本を旅行してというのだ。
「観させてもらいます」
「それでは」
「また観させてもらいます」
恍惚とした表情で言ってだった。
ニシダは他の者達と共に神社を後にしツアーの残りのことも楽しんだ、そのうえでブラジルに帰ったが。
ここから彼は大の日本贔屓になり何かあると日本に旅行に行きやがて移住して日本人になるまでになった。
そしてその神社に何度も足を運んでだった。
宇宙を背景に舞う巫女達を観た、そのうえで恍惚となった。信仰も古来も現代もこれ以上はない位に一つとなったそれを観て。
銀河巫女 完
2023・2・14
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