第百十三話 本格的な秋その十
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「絶対に」
「ええ、何か東京から生活保護おかしくなったらしいけれど」
「美濃部さんからね」
「そうらしいけれどね」
美濃部亮吉である、この人物が知事になった時から生活保護が歪になったのではないかという指摘があるのだ。
「どうやら」
「そんな人に渡らない様にして」
「障害があったりね」
「家庭が大変とかそうした人達にね」
「渡る様にして欲しいわね」
「外国人が区役所とかで騒いで貰うって話もあるけれど」
これが美濃部亮吉が都知事だった頃にはじまったという、尚美濃部都政は大赤字であったことでも知られている。
「こんなこともね」
「あって欲しくないわね」
「絶対にね」
それこそというのだ。
「あって欲しくないわね」
「税金なんだし」
二人で眉を顰めさせて話した、そして。
咲は一呼吸置いてからだ、こうクラスメイトに言った。
「大人って違うわね」
「やっぱり中身ね」
「精神的にね」
「成長して」
「それによってね」
「大人になるのね」
「だから年取ってもね」
それでもというのだ。
「大人にはね」
「なれないのね」
「選挙に行ける様になって」
そうしてというのだ。
「お酒も飲めて煙草も吸える」
「おおっぴらにね」
「それが出来る様になって」
「それが大人か」
「結婚して子供も出来て」
そうもなってというのだ。
「それでね」
「大人か」
「今お話した人結婚してもね」
「子供のままだったわね」
「何でも高いいい煙草をね」
「吸ってたのね」
「それでもね」
そうしたことをしてもというのだ。
「中身はどう見てもね」
「甘やかされた子供ね」
「五十過ぎてもね」
「そうよね」
同級生もそれはと応えた。
「誰が聞いてもね」
「子供よね」
「物凄く悪い意味でね」
「甘やかされてまともな躾も何も受けてない」
「そんな子供ね」
「その人のこと聞いても思うのよ」
咲は真顔で話した。
「大人って何かって」
「年齢だけのことじゃないのね」
「色々学んで経験を積んで」
そうしてというのだ。
「心が成長したね」
「それが大人ね」
「そうだと思うわ、しかしね」
「しかし?」
「今話した人って生きていて何もね」
その男のことをさらに言うのだった。
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