第八十四部第五章 宣言に向けてその一
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宣言に向けて
李は各国との会談の状況を確認して自国の閣僚達に言った。
「今のところはだ」
「はい、順調です」
「そう言っていい状況です」
「各国はそれぞれ宣言に向かってです」
「意見を調整出来ています」
「ならいい、ここで大事なことはだ」
李は閣僚達に述べた。
「中央政府に対することだ」
「そのことですね」
「やはり」
「大事であることは」
「そのことですね」
「そうだ、だからだ」
それでというのだ。
「我々としてはな」
「何としてもですね」
「各国政府の意見をまとめ」
「そのうえで、ですね」
「宣言が出る様にしますね」
「その様にしますね」
「それがホスト国の務めだ」
つまり自分達のというのだ。
「それはわかているな、諸君も」
「はい、無論です」
「それは承知しています」
「私達もまた」
「そのことは」
「なら宜しく頼む、ただしだ」
李はここでこうも言った。
「用心はしておいてもらう」
「各国政府間の意見の衝突ですね」
「そして腹の探り合いにも」
「中央政府の耳と目にも」
「そうしたことについてですね」
「各国政府は呉越同舟のことも多い」
李は連合の政治家として述べた。
「そして常にだ」
「同床異夢ですね」
「そうした状況ですね」
「その国それぞれの思惑がありますね」
「国益を求めるそれが」
「各国を見てだ」
そしてというのだ。
「その国益を見極めてな」
「そうして意見を調整する」
「そのことも大事ですね」
「連合の政治の常ですし」
「それを怠らないことですね」
「それを怠るとだ」
その場合はというと。
「しくじる」
「そうなってしまいますね」
「まさに」
「宣言を出せなくなる」
「そうなりますね」
「外はな、そして内はな」
李は今度は国内の話をした、政治の問題は外に対してだけでなく内に対してもあるというのである。
「議会のことだ」
「そちらですね」
「今は我々が与党ですが」
「野党の攻撃が激しいです」
「集権派が」
「彼等は伝統的に中国では弱い」
各国政府の中でも自国の国益や権限にアメリカやロシアと並んで強く求める中国の中ではというのだ。
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