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八条学園騒動記
第七百十三話 ドクガエルその十一

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「生態系の中にあってな」
「自然を保っていますね」
「そうした意味で役に立っているが」 
 それでもというのだ。
「そうした輩はな」
「人間の世界にいて」
「自然の中にもいないからな」
「文明の中にいますね」
「その文明の中で下らないことこの上ない才能で食べているだけのだ」
 そうしたというのだ。
「無駄飯食いと呼ぶのも過ぎた」
「害にしかならない輩ですね」
「そんな輩はどうせ信仰に目覚めてだ」
「神に仕えることもですね」
「それどころか現代科学でだ」
 その発展途上でありこの世のごく一部しか語り証明していない様なものでもというのだ、大尉は言うのだった。
「神を否定しようとする」
「それも否定したつもりになりますね」
「時には手前勝手に設定を変えてな」
「あの輩はそうしたこともしていますか」
「最も重要なそれを自分でそうしてな」 
 そのうえでというのだ。
「本を書いている、しかも計算間違いもだ」
「あるのですね」
「そんな風でだ」
「神も否定しますか」
「そうするに決まっている」
「信仰を持つどころか」
「そしてその様な証明でだ」 
 設定を変えたり計算間違いもある様なというのだ。
「神を否定したとな」
「一人悦に入りますか」
「そうなるに決まっている」
「科学は神の力の一部です」
 上等兵は言い切った。
「まさに」
「その通りだ、その力の一部でだ」
「神を否定するなぞ」
「何よりも愚かなことだ」
「左様ですね」
「そんなことをしてもな」 
 それこそというのだ。
「まことにな」
「何にもならないですね」
「そうだ、だからな」
 それでというのだ。
「こうした輩には何があってもならない」
「そうなることですね」
「人としてな」
「それが大事ですね」
「大事ではない」
「といいますと」
「絶対だ」
 こう言うのだった。
「そうなってはいけない」
「誰の何の役にも立たず」
「下らない才能ばかり発揮する様なな」
「そうした輩にならないことですね」
「若しなればこれ程残念なことはない」
 大尉は険しい顔で話した。
「やはり人の役に立ちたいものだ」
「人ならば」
「世にな、また下らない才能はな」
「発揮しないことですね」
「それなら無能と言われてもだ」
「向いていない仕事をする方がいいですね」
「そう思う、下らない本を書く才能なぞ何の役に立つ」 
 誰のというのだ。
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