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八条学園騒動記
第七百十三話 ドクガエルその七

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「錬金術を極め不老不死になったという」
「タイムマシンも持っているというな」
「まさか実在しますか」
「私はそうではないかと思っている」
 真剣な顔での言葉だった。
「そして今もだ」
「人類社会にいますか」
「一部の人だけが知っているな」
「謎の人物として」
「ナポレオンの前に出たというが」
 ナポレオン=ボナパルト、彼のというのだ。
「兎角謎がだ」
「多いですね」
「そうした人物でだ」
「実在していますか」
「今も彼を見たという話がある」
 人類社会にはというのだ。
「実は元帥の方でだ」
「伯爵にお会いした方がですか」
「おられるそうだ」
「そうなのですか」
「現役の元帥の方でな」
 今のというのだ。
「そうした話もだ」
「あって」
「それで私もだ」
 大尉もというのだ。
「伯爵は今もだ」
「人類社会にいる」
「そう見ている」
「そうなのですね」
「今の時点の科学で語られることは少ない」 
 こう言うのだった。
「まだ進歩し万能でもだ」
「ないですね」
「この世で万能なものはというとな」
 それはというと。
「キリスト教の神だ」
「一神教の」
「そうした存在でもないとな」
「万能ではないですね」
「科学は所詮神の力の一部だ」
 それに過ぎないというのだ。
「それで万能か」
「その筈がないですね」
「だから今の科学を絶対と思うことはな」
「それこそが非科学的ですね」
「学問は完結しないものだ」
「永遠に進歩し続けますね」
「そうなるものでな」
 それでというのだ。
「絶対の筈がない」
「若し今の時点の科学で漫画やアニメの設定を無理だとか言うなら」
「それは愚の極みだな」
「それに過ぎないですね」
「そうだ、そんなことをしても意味がない」
「未来の科学なら出来るかも知れないので」
「だからだ」
 そうした可能性もあるからだというのだ。
「そんなことをしてもな」
「意味がないですね」
「連合ではそんな愚かな輩もいるな」
「確か柳田算数とかいう人物で」
「そんな下らないものを書いてだな」
「生計を立てているとか」
「下らない男だ」
 これ以上はないまでの軽蔑を込めてだ、大尉は言った。
「そして下らない仕事だ」
「全く以てですね」
「そして下らない人生だ」
「その全てが下らないですね」
「誰の役にも立たず貢献もだ」
「していないですね」
「何も生み出さない」
 そうでもあるというのだ。
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