第三十二話 荒野の蛇その十二
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「赤ワインにしてん」
「そうなのね」
「いや、美味しかったわ」
綾乃は明るい笑顔で言った。
「ええ組み合わせやったし」
「それは何よりね」
「オーストラリアはビールよう飲むけど」
それでもというのだ。
「ワインもええね」
「実際造ってるで」
シェリルはワインの話にも乗った。
「我が国では」
「起きた世界でもこっちの世界でもやね」
「そうしてるで」
「そやね」
「それで味には自信がある」
ワインのそれにというのだ。
「十星連合でも屈指のワインの産地や」
「こっちの世界やとそうやねんね」
「その自信があるわ」
こう言うのだった。
「ほんまにな」
「そやねんね」
「そやからどんどん飲んで欲しい」
「売れたら利益になるさかい」
「ああ、ラムやマトンを食べる時もな」
即ち羊肉をというのだ。
「飲んでくれたらええわ」
「ビールだけやなくて」
「ワインもや」
こちらもというのだ。
「飲んで欲しい」
「ほな塔を踏破したら」
綾乃はそれならと応えた。
「是非共」
「その組み合わせを楽しむな」
「オーストラリアの羊と赤ワインを」
「そうしてくれるとええわ」
「ほなね」
「何かオーストラリアってこっちの世界でも田舎扱いやが」
「そうなん」
「そんな意識があるわ」
シェリルとしてはだ。
「そやからな」
「メジャーになって」
「売り上げもよおしてな」
「産業として栄えて欲しいんやね」
「オーストラリアのワインもな」
こちらもというのだ。
「こっちの世界でもな」
「それでやね」
「ほんま力入れてるんや」
「オーストラリアの人達も」
「各地の産業の育成と発展に力を入れる」
このことはというと。
「国政の基本の一つや」
「ほんまそやね」
「それをやっていく為にも」
「その組み合わせをやね」
「私は推進していくし」
そしてというのだ。
「皆にもな」
「実際に口にして」
「楽しんでもらうで、星の人等が食べて美味しいと言えば」
国を動かす彼等がだ。
「それだけで大きな宣伝材料になるし」
「それでやね」
「実際に美味しいし」
このことは折り紙付きでというのだ。
「それでな」
「うちもやね」
「塔を踏破したら」
その後はというのだ。
「主に和食にそうしてるけど」
「うち和食好きやし」
「一度な」
「羊とオーストラリアワインも」
「この組み合わせも頼むで」
「ほなね」
綾乃は笑顔で応えた、そうしてだった。
出て来た敵を術を放って退けた、何でもない様にそうしてさらに進もうと言った。そして実際に一行はそのまま進んでいった。
第三十二話 完
2023・7
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