第九十二話 酷い親戚がいないことその六
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「絶対にないわね」
「奥さんに逃げられて天理教の人に助けられてね」
「天理教の文句言ったのよね」
「お仕事まで世話してもらって色々な人に優しくしてもらってよ」
そうしてというのだ。
「文句ばかりでお仕事も行かなくて奥さんのことはね」
「爪切りまで持って行ったね」
「こんな人が反省するか」
「する筈ないわね」
「だから今もね」
「そのままね」
「自分はこの世で一番偉いと思っていても」
主観ではそうだがというのだ、往々にして主観と客観は違うものだ。
「他の人から見ればね」
「葛ね」
「何処が偉いのかってね」
「なるわね」
「他の誰が見ても」
それこそというのだ。
「そうなるでしょ」
「そうよね」
「見たらわかるじゃない」
それこそというのだ。
「お仕事ない立場ないお金ないで」
「何もないわね」
「奥さんに逃げ荒れて人望もない」
「慕って来る人もね」
「それどこか何もしなくて不平不満ばかりで」
それでというのだ。
「好きだっていう人もいない」
「お友達もいないのね」
「そして経験も実績もよ」
「何もなくて」
「一体何処がどう偉いのか」
「そうよね」
「ちなみにこの息子さん学校もね」
これもというのだ。
「あんた商業科だけれど」
「それがどうかしたの?」
「あんたが通っている八条学園高等部商業科よりも偏差値が低い学校よ」
「そうなの」
「それで高校を出て」
そうしてというのだ。
「大学もよ」
「出てないの」
「そう、つまり学歴もね」
「ないのね」
「生まれも普通のお家で」
「そういうのもないのね」
「財産だってね」
こうしたものもというのだ。
「ないのよ」
「何一つ持ってないのね」
「学歴とか立場とか財産あっても偉いかっていうと」
それはというと。
「違うけれど」
「そうよね」
「その息子さんはね」
「そうしたものもないのね」
「自分が偉いっていう根拠にはなるでしょ」
「学歴とか立場とか財産はね」
「けれどそうしたものも一切なくて」
そしてというのだ。
「ただ本を読んで」
「知識あるから?」
「それで長男さんで」
「それだけでなの」
「自分がこの世で一番偉いってね」
その様にというのだ。
「思っていたのよ」
「そのお母さんが甘やかして」
「そう、それでね」
そうして育てられたというのだ、世の中にはどうしようもない所謂毒親にそうして育てられた人間も存在しているのだ。
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