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第九十二話 酷い親戚がいないことその四

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「もうね」
「そういうことね」
「それでね」 
 母はさらに言った。
「お母さんもお父さんも」
「この人知っていて」
「息子さんもね」
「私をなのね」
「ちゃんと育てようってね」
「思ったのね」
「あの学校にいる人でそう思った人多い筈よ」
 一華を見て言った。
「ああはなるまいってね」
「あんな毒親にならないで」
「あんな屑みたいな息子を育てないってね」
「みたいっていうかそのものよね」
「屑っていうのね」
「だってね」
 それこそとだ、一華は言った。
「聞いてたらね」
「そうね、屑としかね」
「言い様がないわよね」
「息子でも娘でもね」 
 性別に関係なくというのだ。
「まともによ」
「子育てするのね」
「そうなる様に」
 まさにというのだ。
「しないとってね」
「お母さんも考えたのね」
「だって自分がそうで」
「碌でもない人で」
「その息子さんもね」
 彼までというのだ。
「そんなのだとね」
「嫌だから」
「あんたもそんな親子みたいになりたくないでしょ」
「そこまで酷くなりたい人いないでしょ」 
 これが一華の返事だった。
「お母さんも息子さんも」
「まさに毒親と屑ね」
「どっちも絶対になりたくないわよ」
「お母さんもお父さんもそう思ったしね」
「他の人もなのね」
「お母さんの頃からこの人達有名だったし」
 八条学園関係者生徒も含めた中でというのだ。
「あんまりな人達だってことでね」
「理事長さんの一族の人達が信者さんの教会の人だったから皆知っていて」
「だからね」
 その為にというのだ。
「お母さんの頃から皆ね」
「こうなったは駄目ってことで」
「反面教師にしてたのよ」
「私達と同じね」
「いや、まさか親子二代でね」
 母は唸る様にして言った、首も傾げさせつつ。
「そう思う位ってね」
「ないわよね」
「幾ら酷くても」
 それでもというのだ。
「そこまでは滅多にいないでしょ」
「親子二代つまり私達の間の全部の学年の人達にその酷さ知られてて」
「反面教師はね」
「それも親子で」
「そうはないわよ」
「そうよね」
「それでその息子さんがね」
 母は一華にあらためて話した。
「今もね」
「生きていたのね」
「そうなのよ」
「嫌なことね」
「そうでしょ」
「ええ、そんな人はさっさとね」
「死んだ方がいいわね、生きていてもね」
 そうしていてもというのだ、普通の者なら当然のこととして許されるそのことがだ。生きることは当然の権利であるからだ。
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