第九十二話 酷い親戚がいないことその二
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「厄介者ね」
「そう、そんな人がね」
「生きていて」
「親戚の人達はね」
「嫌がってるのね」
「それまでずっと厄介者だったし」
親戚の中でだ。
「いなくなってよかったと思ったら」
「また出て来たから」
「物凄くよ」
「嫌がられているのね」
「そうよ」
「死んでいた方がよかったのね」
「ええ、生きていてもね」
それでもというのだ。
「何もしないし出来ないしで」
「図々しく偉そうに振舞って」
「自分だけの人でね」
「誰かの為に何かもしないから」
「だからよ」
そうした輩だからというのだ。
「もうよ」
「親戚の人達はなのね」
「嫌がっているのよ」
「そうなのね」
「この人のお母さんも酷くて」
その親もというのだ。
「ヒステリックで執念深くで底意地が悪くて」
「かなり酷いわね、その人も」
「自分以外の生きもの皆大嫌いで遊んでばかりで」
「働かなかったのね」
「家事もろくにしなくて育児放棄までして」
そしてというのだ。
「長男さんだけよ」
「甘やかしてたのね」
「それで不平不満ばかりで」
さらに言うのだった。
「ちょっと何かしてやってる」
「凄く不満そうね」
「しかも口を開けば悪口ばかりの」
「何かしてもらっても」
「ちょっとね」
それこそというのだ。
「自分が遊べないで働けたら」
「普段色々してもらってる人でも」
「そう言ってたのよ」
「そうだったのね」
「だから法事があっても」
親戚の中でというのだ。
「誰も話し掛けないしお顔も向けない」
「そこまで嫌われていたのね」
「だって口を開けば悪口で」
それでというのだ。
「ちょっとしたことでヒス起こすのよ」
「そんな人だから」
「嫌われてたのね」
「もう誰ともね」
「仲良く出来ない」
「そんな人が母親で」
そうしてというのだ。
「その人が甘やかしたから」
「絶対にまともになる筈がないわね」
「だからよ」
「あんな人になったのね」
「それでその人がね」
「生きていたのね」
「知ってる人は誰でもね」
母は一華にさらに話した。
「死んでいて欲しかったっていう」
「そんな人だったのね」
「そうよ」
「ううん、あれね」
一華はここまで聞いて眉を顰めさせて言った、腕も組んで声もまた難しいことを語るものになっていた。
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