第二話 恐竜屋へその四
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「その言い方は何か」
「何か?」
「恥ずかしいっていうか」
顔をやや俯けさせての言葉であった。
「そんなこと言ったら」
「そんなことは気にするな」
蒔人はまた明るい笑顔で麗に話した。
「仲がいいってことは最高なんだからな」
「とにかく仲がよくないとなのね」
「そうだ。それにしてもここのカレーはな」
蒔人は今は自分のカレーを食べている。見れば野菜カレーである。
「美味いな。特に野菜がな」
「これってうちの野菜だよね」
「ああ、そうだ」
魁に対しても話す。
「アニキ農園の野菜だ」
「最近うちの農園も大きくなったな」
「そうそう、今じゃ人もかなりやとってね」
翼と芳香が言う。
「ボクサー以外の仕事もできたしな」
「芳香ちゃん今じゃモデルの仕事以上にそっちの方が忙しいわよ」
「そんなに忙しいの」
麗はそれを聞いて目をしばたかせて二人に問うた。
「今って」
「凄いよ。俺だってさ」
魁もここで次姉に言う。
「大学に通いながら畑仕事の毎日だし」
「こいつが大学行くなんてな」
「それも驚きなんだがな」
蒔人と翼は魁を見ながら首を傾げさせていた。
「城南大学か?」
「そこだったな」
「いいじゃないかよ、俺が大学に通ってても」
「勉強凄く頑張ったんだね」
ヒカルだけは優しい顔で彼に声をかけた。
「それもかなり」
「それがスポーツ推薦なのよ」
芳香がここでネタをばらした。
「そうじゃなくて何で魁ちゃんが大学に合格できるのよ」
「えっ、そうだったんだ」
「そうよ。魁ちゃんよ」
かなり酷い言い方ではある。
「まともに勉強で大学に入られる筈ないじゃない」
「そういえば城南大学はな」
蒔人がここでその大学について話した。
「兄ちゃんもそこ出身だけれどな」
「そういえばそうよね」
「お兄ちゃん大卒だったよね」
「って忘れてたのか?」
「いや、覚えてたけれど」
「あまりそういう感じじゃないから」
妹達はこう兄に言ってきた。
「だからね。それはね」
「つい」
「確かにそうだよな」
「だよな」
翼と魁も言う。
「兄貴っていつも畑仕事しているイメージがあるからな」
「インテリってイメージないんだよな」
「言っておくが俺は農学部だ」
蒔人は出身の学部のことも言ってきた。
「だからな。それでいいんだよ」
「完全にお百姓さんなのね」
「農学部だと」
芳香と麗は兄の言葉を受けてまた話した。そしてヒカルは微笑んでそのうえで話を聞いていた。それを聞きながらあることを考えていた。
そうしてである。このことを言ってきたのであった。
「そういえばこのカレーの野菜は」
「美味いだろ」
「随分と身体にいい感じだよね」
このことを言うのだった。
「
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