第二幕その三
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「それでいいのよ」
「誰かより凄いかじゃなくて」
「劣ってるとかじゃなくて」
「楽しめばいい」
「そういうことだね」
「歌と踊りは」
「他のこともでしょ、今回は競争じゃないんだし」
それでというのです。
「遊びなんだしね」
「楽しめばいいんだ」
「そうなんだね」
「それじゃあ一緒にね」
「歌と踊りを楽しむ」
「それも思い切り」
「そうしましょう、じゃあ続けるわよ」
こう言ってでした。
皆で歌って踊って楽しい時間を過ごしました、そしてです。
キャプテンは皆を見てこんなことを言いました。
「わしも踊っていいかな」
「あんたもいいでしょ」
つぎはぎ娘はすぐに答えました。
「別に」
「片足でもかい」
「片足でもいいでしょ」
「踊ってもかい」
「何が問題なの?」
つぎはぎ娘はキャプテンにあっけらかんとして返しました。
「一体」
「ああ、お前さんの考えだと」
「そうよ、自分のそれぞれの身体でね」
「楽しめばいいね」
「あんたの足のことは知ってるわよ」
片足が義足であることはというのです、見れば確かにキャプテンの足は今も片足は木の棒のそちらになっています。
「それでもよ」
「踊れるんだね」
「ええ、それにオズの国じゃ片足でもね」
例えそうであってもというのです。
「動きに問題ある?」
「いや、別に」
キャプテンはすぐに答えました。
「こっちの世界に来てからというもの」
「こけたりしないでしょ」
「バランスを崩すことさえだよ」
「しないわね」
「傷口が痛むこともないよ」
「義足を付けているところね」
「全くだよ」
こうつぎはぎ娘に答えました。
「そんなことはないよ」
「だったらね」
それならというのです。
「どんどんね」
「踊ればいいんだ」
「そうよ、あんたの動きでね」
「そうなんだね、しかし」
「今度は何よ」
「いや、踊りが下手だとね」
キャプテンは今度はこんなことを言いました。
「どうかと思って」
「そのこともよ」
つぎはぎ娘はまたしても何でもないといった口調で答えました。
「上手下手じゃないのよ」
「問題はだね」
「楽しめばいいんだから」
「下手でもだね」
「そうよ、そんなことはどうでもいいのよ」
「楽しむかどうかで」
「あくまでね、それじゃあね」
「今からだね」
「そうよ」
まさにというのです。
「好きなだけ踊ればいいのよ」
「それじゃあ」
「あたし達と一緒に踊りましょう」
「歌ってだね」
「そうしましょう」
「それではね」
キャプテンも遂に頷きました、そしてです。
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