暁 〜小説投稿サイト〜
X ーthe another storyー
第三十一話 墓参その十六

[8]前話 [2]次話
「誰かを守って一緒に生きる」
「俺の様にか」
「貴方を見て思ったわ」 
 こう言うのだった。
「それが一番いいって」
「俺はあの時は」
「何も出来なかったっていうのね」
「封真が退いたからな」
「けれど守ろうとしたわ」
 嵐が言うのはこのことだった。
「動けなくても必死に」
「鎖を断ち切ろうとしてか」
「それを見たから今思うわ」
「誰かを守ってか」
「死ぬんじゃなくて」
 空汰を見て彼が語ったその運命を思って話した。
「生きることよ」
「一緒にか」
「守られても残されたら」
 その守った人が犠牲になってというのだ。
「どんな思いをするか」
「はい、私も神威ちゃんに何かあったら」
 小鳥も嵐の言葉を聞いて言った。
「心配です、そして私だけなんて」
「嫌よね」
「はい、絶対に」
「そうよ、だから誰もね」
「死なせないですね」
「私は」
「何や、妙な感じになってきたな」
 空汰は嵐の言葉を聞いてどうにもという顔で述べた。
「お嬢ちゃんも」
「そうかしら」
「何かもっとこうクールな」
「私は私よ」
 これが嵐の返事だった。
「最初からね」
「それで言うんかいな」
「考えは変わったわ」
 そうだというのだ。
「今はね」
「そう考えてるんかいな」
「皆で最後まで」
 まさにその時までというのだ。
「戦ってね」
「そうしてなんか」
「神威が言う通りに」
 ここで彼を見た、そして言うのだった。
「皆で木を見ましょう」
「あの木か、なら俺もだ」 
 神威は嵐のその言葉を受けて言った。
「小鳥に封真にだ」
「私達もなの」
「守る、誰も死なせるか」
 こう言うのだった。
「絶対にな」
「そうするのね」
「そうする、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「皆であの木の前に行こう」
「そうね、絶対に」
 小鳥は神威のその言葉に頷いた。
「そうしようね」
「それじゃあな」
「お互いにね」
「守っていってな」
「皆で行こうね」
「そうするぞ」
 うどんすきを食べながらそうした話をした、その中でお互いを知って絆も深めていった。戦いが近付く中でそうしていった。


第三十一話   完


                    2023・6・8
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ