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あのシーズンの再現は 
第三章

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「ロッテが出て来ても」
「勝つか」
「そうなるんだな」
「そう言うんだな」
「そうだよ、もうな」 
 それこそというのだ。
「あのシリーズのリベンジだよ」
「二〇〇五年シリーズのか」
「僕達もあのシリーズ知ってるけれどな」
「物凄かったな」
「壮絶な展開だったな」
「悪夢だったよ」
 寿は実に忌々し気に言った。
「あのシリーズは」
「本当に伝説だったな」
「三十三対四な」
「今も普通に言われてるしな」
「ネット上で」
「野球と関係なくても言われてな」
 まさにネットでは共通言語になっているのだ。
「あの点差は」
「それで何でや阪神関係ないやろ」
「そう言うんだよな」
「常にな」
「ネタとして最悪だよ」
 阪神ファンにとってはというのだ。
「最初の試合は十点取られて」
「濃霧出てコールドで」
「そこから二試合連続十対一で負けて」
「甲子園に移ってもそうなって」
「最後は三対二で負けて」
「バレンタイン監督の胴上げだったな」
「悪夢っていうのは」
 それはというのだ。
「本当にね」
「あのシリーズのことを言うな」
「一九七三年最終戦とか一九九二年とか」
「二〇〇八年のブイやねん阪神もそうで」
「二〇二〇年のあかん阪神優勝してまうもな」
「暗黒時代もそうで」
 一九八七年から長きに渡った、実は一九九二年はその間のことであったが再び暗黒時代に突入したのだ。
「二〇一四年のシリーズも」
「悪夢だったな」
「最初は勝ったのにな」
「後はソフトバンクに四連敗で」
「最後は守備妨害で負けて」
「和田監督の抗議の横で秋山監督の胴上げな」
「あれも凄かったよ」
 寿はその時のことを思い出しつつ言った。
「本当に」
「つくづくネタ多いよな」
「阪神ってな」
「三十三対四だけじゃなくてな」
「他も凄いな」
「それでもだよ」 
 碌でもない展開、悪夢と言っていいそれが多くてもというのだ。
「今年が違うよ」
「例えロッテが出て来てもか」
「阪神勝つか」
「そうなるか」
「岡田監督も」 
 彼もというのだ。
「やってくれるよ」
「あの人名将だよな」
「やっぱりそうだよな」
「采配上手だし」
「選手の見極めしっかりしてるな」
「元々頭脳派理論派で」
 このことに定評がありというのだ。
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