超兵器の証明
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ていたのは、バルタン星人の奴隷となることだったんです。男性は化学兵器の実験台にされ、女性はバルタン星人との子供を無理やり作らされました。そうして生まれた俺達は、バルクティアンと呼ばれ差別階級の扱いを受け、純血のゼクティアン星人より非道な実験のサンプルにされてきました。』
ゼクティアン星人の語った内容は、故郷の悲惨な現実であった。
『それはお辛い経験をなされてきたんですね。それで、地球へ来た目的とは、一体どのようなものですか?』
『俺は地球にあるお願いがしたくて、命をかけて地球に来ました。それは、地球にある超兵器R1号を譲ってもらいたくて、来訪した次第です。』
ゼクティアン星人は飛来した目的を話す。
『超兵器R1号、一体なんのことでしょうか?』
白倉はゼクティアン星人の言葉に疑問を抱く。
『とぼけないでくれ!星を一つ破壊できるほどの威力を持つ超兵器が地球にはあるという話を聞いていたから、俺は命がけでやって来たんだ!その超兵器がないなんて嘘はつかないでくれ!』
ゼクティアン星人は必死に伝える。
『ですが、超兵器R1号なんてものがあるなんて話は我々も聞いたことがありません。』
『無いなんてことはないはずだ!教えてくれ、どうして持っていないなんて嘘を言うんですか!』
『我々も、そんなものはないとしか答えようがありません。』
『それなら無いという証拠を出してほしい。それがないなら、俺は諦めきれません。ゼクティアン星にはもう時間がないんです。俺がこうしている間にも、ゼクティアン星はどんどんバルタン星人の前線基地にされていっているんだ。超兵器R1号の力で、ゼクティアン星を破壊する以外、もう手段が残されていないんだ。』
『だからといって、故郷を破壊するなんて、お母様が悲しみますよ。』
『母さんが悲しむ?母さんは目つきが悪いって理由で8年前にバルタン星人に殺された。母さんだけじゃない。友達も、そのお母さんも、みんなバルタン星人の科学実験や暇つぶしで殺された!死んだ仲間の仇を取るには、もうゼクティアン星を破壊する以外残っていないんだ!解ってくれ!』
『しかし、そんな物騒なものは持たないことは、24年前に確約しているので、我々にもそのような武器があることは把握できていない。』
その後も白倉とゼクティアン星人による対談が続いたが、お互いの話は堂々巡りとなる結果であった。
その夜、ダンの通信機器にマユカからのメッセージが届いた。
“モロボシさん、今日の番組でゼクティアン星人が言っていた超兵器R1号ってなんのことか、教えていただけませんか?お祖父ちゃんに聞いても話してくれなくて。”
メッセージを読んだダンは悩んだ。一宇宙人である自分が地球の内部機密を現地の少女に話すことは内政干渉に該当してしまうのではないか
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