第一章
[2]次話
パトカーに乗った犬達
ケイラ=ムーア巡査ミシカン州アントリム郡で勤務している彼女は蜂蜜色の長い髪の毛を後ろで束ね栗色の明るい目とはっきりした「顔立ちの一六二位の背のスタイルのいい女性である。その彼女がだ。
垂れ耳の黒い雌の大型犬を署に連れて来た、上司はその犬を見て彼女に尋ねた。
「その娘がだね」
「はい、連絡があってです」
ムーアは上司に答えた。
「私がパトカーに乗ってここまでです」
「保護したんだな」
「そうです、それでなのですが」
ムーアは上司に自分から言った。
「この娘は野良犬ですね」
「ああ、生まれてからずっとな」
「クゥ〜〜ン」
上司はその犬を見つつムーアに答えた。
「あそこで育ってな」
「他の兄弟と一緒に」
「兄弟は皆保護してな」
そうしてというのだ。
「後はな」
「この娘だけでしね」
「そうだったんだ」
「他に身寄りがないなら」
それならとだ、ムーアは上司に申し出た。
「この娘を家族、養子にしていいでしょうか」
「君が引き取ってか」
「いいでしょうか」
「構わないが」
上司はムーアに即座に答えた。
「何しろその娘は身寄りがない」
「だからですね」
「君が引き取ってくれるならな」
それならというのだ。
「一向にだ」
「構わないですね」
「ああ、ではな」
「その手続きに入ります」
ムーアは早速だった、その犬と本当に縁組をして家族に迎えた。そうして家に迎え入れてから上司に話した。
「実はパトカーに乗せている時にです」
「保護した時にだね」
「一緒にいて妙に親近感を覚えまして」
それでというのだ。
「家族に迎えたくなったんです」
「そうなのか」
「あの娘ロージーと名付けたんですが」
「あの娘もだね」
「パトカーに乗っている間に懐いてくれまして」
ムーアにというのだ。
「それで、です。それに以前こうしたお話を」
「聞いたのか」
「カルフォルニアのです」
この州のというのだ。
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