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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
隠伏-ひとをかくすなら-
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なったのか恥ずかし紛れに後頭部をかいた。
「んで、コイツが俺のサーヴァント。ランスロットだ。」
「マスターのつがいのランスロットだ。よろしく。」
と、彼の後ろからひょっこり出てきた少女。
名前は…確かにランスロットと言った。
「だから、番じゃねーっての!」
「いたっ。」
軽くチョップで叩かれるも、満更でもなさそうだった。
「…妖精騎士?」
「お、正解。お連れのブーディカさん、結構勘が鋭いね。」
ランスロット。
その名前で俺と武蔵の表情が少し強ばったのを感じたのだろう。
ブーディカが話を変えた。
「にしても妖精騎士を知ってるってことは…?」
「昔居たところに妖精騎士がいたの。とても力持ちで、とてもお料理上手で、とても優しい大きな妖精さんがね。その人から妖精騎士って概念は聞いてたから。」
と、どこか懐かしむように話すブーディカ。
「大きくて強い、お料理上手…バーゲストの事だね。まぁいかにも、僕は妖精騎士だよ。しかもランスロットの名を賜った最強の妖精騎士さ。」
最強…か。
あいつが聞いたら黙っていないだろうなと考えてしまう。
それにランスロットの名を冠しているのなら尚更だ。
おそらく見つかれば、俺と武蔵の如くしつこく追い回されてしまうだろう…。
「どうしたんだい?2人して難しい顔して。もしかしてランスロット≠チていう名前にいい思い出なかったり?」
と考えていると、ランスロットが芯をついてきた。
2人とは無論、俺と武蔵だ。
「まぁ…そうね。ランスロットにはほんとにいい思い出ないって言うか…。」
「旅の途中、何度もぶつかった…いや、しつこく追いかけてきたな。」
「ははっ、なにそれ!最近のランスロットってストーカー気質なの?」
おかしく笑うランスロット。
そうしていると俺たちの話にマスターの悠里も興味を持ち始めたのだろう。
「なんか面白そうだな…運び屋ってことは色んな出会いとか経験とかあったんだろ?」
「まぁ、ある。」
「下準備を終わらせたらアンタ達の部屋に行って話を聞きたいんだが…いいか?」
ここは列車の中。
別に急ぐこともない。
そんな彼に対して俺は頷いた。
「ありがとう。後で部屋番教えてくれ。秒で終わらせてすぐ行くからさ。」
「俺のサーヴァントのワガママを聞いてくれたんだ。それくらいの礼で済むならいくらでも話そう。」
と、ワガママな献立をリクエストした武蔵を横目で見ながらそう答えた。
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