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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
隠伏-ひとをかくすなら-
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なんてすぐに行けるのに。」
「旅の過程を楽しむのも乙なもんだろ。それに、参考のためにこの列車の中じゃどんな食事が提供されるのかも見てみたいしな。」
「僕はマスターが作ってくれたものならなんだって大歓迎だよ?だからそんな遅い乗り物なんか乗らないでずっと速い僕に任せれば…」
「速いじゃない!速過ぎるんだよお前は!必死にしがみついてるこっちの身にもなってくれ!!振り落とされそうなスリルよりのんびりゆっくり楽しみたいんだよ俺は!」
「大丈夫。落っこちたらちゃんと受け止めるよ。」
「そういう問題じゃないっつってんの!!」
「…すまない、ちょっといいか。」
この言い合い、いつまでも続きそうなので予約が取れないこともあって仲裁に入る。
「なんだい。僕は今マスターと大事なお話をしてるんだ。邪魔しないでくれる?」
その小さい少女…サーヴァントであろう少女は俺を見上げて睨みつけた。
「ああ、悪い。ただここで痴話喧嘩されてはチケットが取れない。やるなら場所を移して欲しい。」
「ほら迷惑になるから行くぞ!あーもうほんとすいません!ウチの子が列車になんか乗りたくないってダダこね始めちゃってもう…。」
「何その言い方!まるで僕が子供みたいじゃないか!!」
「はいはい行きますよー。」
と、サーヴァントの少女はマスターにまるで猫のように抱き抱えられどこかへそそくさと去った。
「……。」
見たことの無いサーヴァントだったな。
早く行けるとかどうとか行っていたが、乗り物の類…おそらくライダークラスのサーヴァントだろうか?
「あの子がどういったサーヴァントか知っているか?」
「私も知らないわ…あんな小さい子…。」
武蔵に聞いても分からないままだった。
何はともあれ、
チケットを購入しよう。
●
俺達が乗り込んだのは寝台特急。
列車の中に宿泊施設や食事を摂れるレストランまで置いてあるというホテルがそのまま移動式になったような夢の列車だ。
過去、いつかそんなものに乗ってみたいなと夢見ていたことはあるが、まさかこういう形で叶うことになるとは思いもしなかった。
「頬が緩んでるけど。嬉しいことでもあった?」
「…現在進行形である。」
と、流れゆく景色を眺めていると武蔵が隣に座ってそう尋ねてくる。
「こういう寝泊まりできる列車に乗るのが子供の頃からの夢だった。それが叶った事だ。それと…」
「それと?」
「だいぶ距離が近くなったなということくらいだ。」
「距離って……っ!?」
武蔵がハッと気付く。
俺の隣に座った彼女。少し前までは隣合うことはあったものの間はあった。
しかし今はその間がない。言ってしまえばほぼ密着と言ってもいいかもしれない。
「は、はははーっ
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