第八十四部第四章 続く会談その四十一
[8]前話 [2]次話
「何処となくにしても」
「忠告ですか」
「そうされますか」
「マウリアに対して」
「言う必要があるかも知れないわ、ただ言っても」
例えそうしてもとだ、伊東はさらに話した。
「マウリアは無視する可能性も高いわ」
「左様ですね」
「こちらが言っても」
「それでもですね」
「忠告位ならですね」
「無視することも有り得ますね」
「エウロパへの肩入れはして欲しくないわ」
伊東は自分の考えをはっきりと述べた。
「連合の人間としてはですね」
「全くですね」
「今エウロパはギルフォード総統が辣腕を振るっています」
「それによって瞬く間に復興しました」
「それどころか発展さえしています」
「それを見ますと」
「我々としては」
スタッフ達も口々に言う。
「只でさえエウロパが強くなるのです」
「そこにさらに手助けされると」
「エウロパがさらに強くなります」
「我々の予想以上に」
「そうなってしまうことはね」
断じて、と言うのだった。
「避けたいわ」
「左様ですね」
「だからこそですね」
「マウリアは、ですね」
「エウロパを助けてもらいたくないですね」
「連合としてはね。これは日本に限らず」
自分達の国で収まらずにというのだ。
「連合全体として思うことよ」
「只でさえ強くなっている敵に力を与えられるなぞ」
「願い下げなことです」
「断じて防ぎたいですが」
「それは、ですね」
「こうして各国政府が団結を進めてね」
例えそれが同床異夢であってもというのだ。
「中央政府との対決に入るなら」
「その余力はないですね」
「外交はそれに大きく力を向けるので」
「それ故にですね」
「我々としては」
「今はマウリアまではね」
そこまではというのだ。
「手を回せないわ」
「そうですね、そこまでは」
「連合の中だけで手が一杯です」
「元々あちらには力を注いでいませんが」
「それでもですね」
「忠告する位が関の山で」
何かをするにしてもというのだ。
「それ以上はね」
「出来ないですね」
「我々にしても」
「そして忠告をしても」
「無視することは出来ますね」
「無視せずとも詭弁なりで誤魔化す」
そうしたこともというのだ。
「出来るわ」
「外交の常ですね」
「言いつくろいことを進める」
「それもまた外交ですし」
「マウリアは尚更ですね」
「あの国は伝統的に外交が得意よ」
そうした国であることは連合においてよく言われていることだ、連合だけでなくエウロパとも関係が深いことから言われていることだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ