第二章
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そんな中でだ、かなり緻密で地味な作業が要求される仕事が来た、池辺は自分達のどころにその仕事が来て瞬時に嫌な顔になった。
「うわ、俺こういうの苦手だよ」
「一つのところでじっとして動く仕事はな」
「池辺君苦手だよな」
「動く仕事が好きで」
「こうしたずっと緻密にやっていく仕事はな」
「そうですよ、しかし仕事ですからね」
池辺は嫌な顔のまま答えた。
「やりますよ」
「それも仕事だよ」
「自分が好きな仕事ばかりじゃないよ」
「だからここはな」
「我慢してやってくれよ」
「そうします」
こう言って嫌々ながらもその仕事にかかった、だが。
やはり苦手で中々進まなかった、だが。
ここで近本がコツコツと的確にその仕事をしていった、それでこの仕事は彼が主力となってだった。
予定より早く予想より上手に出来た、それで誰もが近本を褒め称えたが。
池辺は彼を仕事の後で居酒屋で飲みに連れて行ってだ、向かい合ってビールを飲んで枝豆やイカゲソを食べつつ言った。
「お前今回凄かったな」
「そうですか?僕は普通にです」
「お前のやることをか」
「やっていただけですよ」
「いや、そのやったことがな」
近本に真剣な顔で答えた。
「凄かったんだよ」
「そうですか」
「あれか、お前の趣味ってどれもコツコツしてな」
アニメや漫画はというのだ。
「色々観て緻密になるな」
「知識も蓄えて細かいところも見ますからね」
「それが仕事に活きたんだな、そうならな」
池辺はしみじみとした顔で述べた。
「そうした趣味のままでもな」
「いいですか」
「別に悪い趣味とは思ってなかったけれどな」
これまでもというのだ。
「けれどな」
「それでもですね」
「ああ、じゃあな」
「これからもですね」
「そのままでいけよ、とはいってもやっぱり趣味はな」
これはというと。
「多い方がいいか、じゃあ俺もな」
「漫画とかですか」
「そっちの趣味もやってみるか」
こう言ってライトノベルを読みだした、するとだった。
池辺は以前より緻密になった、それが仕事にも活きてこうした趣味もいいものだと思った。それで近本に感謝もして一緒に仕事をしつつ以前からそうであったがさらに仲がよくなり共に結果を出していった。
ヲタクの仕事ぶり 完
2023・8・21
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