第三十一話 天平の宴の後でその十二
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「目指すのだ」
「そして力を得て」
「その力を併せてな」
「この世界を救うことですね」
「宜しく頼むぞ」
「わかりました」
綾乃は家持の言葉に頷いてだった。
先に進むことにした、その前に宿屋に戻ってそこで身体を清め乾杯し一晩休むことにしたがこの時にだった。
風呂から上がって乾杯した時にだ、芥川は馳走を見て言った。
「この奈良時代のお料理がな」
「ええな」
「これはこれでな」
中里に笑って話した。
「美味しいからな」
「そやな、蘇もあるな」
中里はこの食べものを見て言った。
「食卓に」
「ああ、この蘇もな」
「食べるな」
「蘇はご馳走やった」
奈良時代はというのだ。
「もう最高級のな」
「皇室や貴族しか食べられん様な」
「聖徳太子もお好きやった」
その様に伝えられている。
「そうしたや」
「ご馳走の中のご馳走やったな」
「チーズやね」
綾乃は蘇を見てこの食べものの名前を出した。
「要するに」
「そのままやな」
「作り方といい」
「そやねんな」
中里は綾乃に応えた。
「これが」
「今やと何でもないけど」
チーズと思えばとだ、綾乃は言った。
「そやけどな」
「それがやね」
「奈良時代はな」
この頃の日本はというのだ。
「ほんまな」
「ご馳走やったね」
「そやったんや」
「そやね」
「それでそのご馳走もな」
「食べような」
「皆で」
「お酒はこれやな」
リーは酒を見て言った、盃の中のそれを。
「白酒やな」
「所謂濁酒やね」
綾乃は笑って応えた。
「日本酒の」
「そやな」
「この時代のお酒はこれやで」
「全部濁酒やな」
「そやで、その濁酒に」
綾乃はさらに話した。
「氷を入れて」
「冷やしてな」
「そうして飲もうな」
「今はな」
「これは長屋王の飲み方やねん」
この方のというのだ。
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